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【考察】プレミアリーグ登録枠超過で放出急務──25人枠に3人はみ出す、高井幸大は再ローンか

【考察】プレミアリーグ登録枠超過で放出急務──25人枠に3人はみ出す、高井幸大は再ローンか

✔ スパーズ、現状28人の登録対象者を抱え、25人枠を3人超過
✔ 非ホームグロウン選手は20人、上限17人を大きく超える
✔ 高井幸大は、ローンから復帰後、再び放出される見通し

レポート

移籍市場終盤、登録ルールとの向き合い

football.londonのアラスデア・ゴールド記者による考察記事。プレミアリーグの登録ルールという観点から、今夏のスパーズの補強・放出戦略を読み解いている。

デゼルビ監督は、9月1日の締め切りまでに「2〜3人」のさらなる補強を望んでいるが、クラブはプレミアリーグの登録ルールの制約内で収める必要がある。今夏すでに2億3,700万ポンドを投じ、トナーリ(9,250万ポンド+最大750万ポンドの上乗せ、クラブ史上初の1億ポンド選手になる可能性)を筆頭に、フェルナンデス(8,500万ポンド)、ファンヘッケ(5,200万ポンド)を獲得済みだ。放出面では、ソロモン(500万+200万ポンド)、ランクシャー(2,000万ポンド)、ヤン・ミンヒョク(ベルギーのウェステルローへローン)などがすでに動いている。ヴシュコヴィッチ(4,600万+400万ポンド)、ドラグシン(フィオレンティーナへローン、2,140万ポンドの買取義務)、デヴァイン(600万ポンド)、ヴェリズ(780万ポンド)の放出も完了済みだ。

ビスマは契約満了で退団、コロ・ムアニとパリーニャはローン期間満了で古巣へ復帰している。スパーズはサヴィーニョを最優先候補として、ガクポ、マーモウシュとの関連も報じられている。

登録ルールの仕組み

プレミアリーグの登録ルールでは、クラブは最大25人のシニア選手を登録でき、そのうち非ホームグロウン選手は最大17人までとされている。ホームグロウン選手とは、国籍や年齢にかかわらず、21歳の誕生日(またはその誕生日を迎えたシーズンの終了時)までに、イングランドフットボール協会またはウェールズフットボール協会加盟クラブに通算3シーズン(36ヶ月)登録されていた選手を指す。

オーストリア代表ダンソは、16歳でイングランドを離れるまでレディングとMKドンズの下部組織に長年在籍していたため、ホームグロウン扱いとなる。一方、スコットランド代表主将のロバートソンは、ハル加入時(20歳)が初のイングランドFA登録だったため、ホームグロウンには該当しない。なお、2005年1月1日以降生まれの選手は、出身にかかわらず25人枠には含まれず、U21登録が可能だ。

非ホームグロウンが20人で上限を大幅超過

これらを踏まえると、スパーズは現在、21歳以上の非ホームグロウン選手を20人抱えている(上限は17人)。該当するのは、ヴィカーリオ、キンスキー、ドゥブラフカ、ロバートソン、ポロ、ウドギ、ロメロ、ファンデフェン、セネシ、ファンヘッケ、高井幸大、フェルナンデス、トナーリ、ベンタンクール、クルゼフスキ、リシャルリソン、サール、クドゥス、シモンズ、オドベールの20人だ。

一方のホームグロウン選手は、ソランケ、ダンソ、オースティン、デイヴィス、マディソン、ギャラガー、スペンス、スカーレットの8人となっている。

高井幸大は再びローンへ

合計すると、スパーズは現在28人のシニア選手を抱えており、登録できる25人を3人超過している。ローンから復帰したばかりの高井幸大は、再び放出(ローン)される見通しとみられている。GKヴィカーリオも、デゼルビ体制下でキンスキーが正GKの座を確立していることから、売却が有力視されている。それでも、非ホームグロウン選手の枠に収めるには、あと1人の放出・ローンが必要な計算になり、キャプテンのロメロもその対象として関連付けられている選手の一人だ。

もう一つの選択肢として、ACL負傷から回復途上にあるシモンズやオドベールを、1月まで登録リストに含めないという方法もある(オドベールについては、それより早く復帰する可能性もある)。

ホームグロウン枠、スペンスやベリヴァルの動向

ホームグロウン選手については、スカーレットが今夏退団すれば、その枠に1つ空きが生まれる。

以上を踏まえると、スパーズが問題なく獲得できるのは21歳以下の選手に限られ、それ以外の新加入選手を迎えるには、さらなる放出が必要になる。スペンスのインテル・ミラノ移籍、ベリヴァルのノッティンガム・フォレストやニューカッスルとの関連も、こうした事情と絡んでいるとみられる。なお、来シーズン以降スパーズが欧州カップ戦に出場する場合、UEFAのU21登録には「クラブ在籍2年以上」という別の条件が課されるため、事情はさらに複雑になる。

記事解説

この記事が明らかにするのは、今夏の一連の放出(ロメロ、スペンス、ベリヴァル等)が、単なる補強資金の捻出だけでなく、プレミアリーグの登録ルールという、避けられない制度上の制約に起因しているという側面だ。以前紹介した各記事では、それぞれの移籍の背景として金額面や序列の問題を中心に扱ってきたが、今回のルール解説を踏まえると、ロメロの退団はある意味で”制度上の必然”でもあったことが分かる。

個人的に気になっていた高井幸大の動向についても、ここで一つの答えが見えた。以前のヘタフェ戦、セカンドイレブン対U21戦の記事で、彼が2試合連続で出場・登録に名前がなかったことを指摘したが、今回の記事で「ローン復帰後、再び放出される見通し」と明記されている。単なる出場機会の少なさというより、登録枠という構造的な事情が背景にあった可能性が高い。

非ホームグロウン枠が20人と、上限を3人も超過しているという具体的な数字は、今夏の補強戦略がいかに大胆だったかを改めて物語っている。デゼルビが望む「2〜3人」のさらなる補強を実現するには、この記事が示す通り、放出をこれ以上進めるか、21歳以下の選手に的を絞るという、限られた選択肢しか残されていない。

この記事では触れられていないが、仮にデゼルビが望む「2〜3人」の補強が実現した場合、非ホームグロウン枠への影響はさらに深刻になる。現状の20人(上限17人)という時点ですでに3人の超過があるが、サヴィーニョ、ガクポ、マーモウシュといった候補は、いずれも非ホームグロウン選手に該当する。仮にこの3人全員を獲得すれば、非ホームグロウン選手の人数は理論上23人まで膨らみ、上限17人に収めるには、追加で6人の放出・ローンが必要になる計算だ。実際には全員の獲得は考えにくいが、1〜2人の獲得であっても、現状の3人超過に加えてさらなる放出が必要になることは避けられない。

この観点は、スペンスの後継候補として噂に挙がったネコ・ウィリアムス(ノッティンガム・フォレスト)を考える上でも興味深い。ウェールズ代表である同選手は、6歳でリバプールの下部組織に加入し、21歳までイングランドFA加盟クラブに在籍していたため、ホームグロウン選手に該当する。仮にこの補強が実現すれば、非ホームグロウンではなくホームグロウン枠を使うことになり、スパーズにとっては登録ルール上、比較的動きやすい選択肢になる可能性がある。