レポート
チェルシーがカギを握る構図
チェルシーが、スパーズによるサヴィーニョ獲得を阻む存在になる可能性がある。このシティのウインガーは、前線強化を目指すデゼルビ体制と長く関連付けられてきたが、実現はエンツォ・マレスカ監督が移籍市場終了までに後継を確保できるかどうかにかかっている。football.londonによれば、スパーズはサヴィーニョ(契約は2031年6月まで残る)獲得に関心を示しており、すでにシティと移籍金について協議を行っているという。
グアルディオラ体制時には、このブラジル代表を将来性のある逸材と評価する首脳陣によって、スパーズへの移籍が阻まれていたとされる。プレシーズンで新指揮官へのアピール機会を得たにもかかわらず、サヴィーニョ本人はその後、レギュラーとしての出場機会を求めて退団の意向を伝えている。今月上旬の取材でマレスカ監督は、この移籍の可能性を否定せず「何でも起こり得る」とだけ答えていた。
評価額に”大きな溝”
その一方でシティは、サヴィーニョ放出に備えた準備を進めているとみられる。マレスカ監督が、サヴィーニョの理想的な後継としてペドロ・ネトを特定したとされる。ただし、数年前にウルブズから5,400万ポンドで獲得したこの26歳のウインガーを、チェルシーが手放すには相応の金額が必要になる。ネトはこのイタリア人指揮官のもとでスタメンの一角を早くから占め、カンファレンスリーグとクラブワールドカップの制覇に貢献してきた。
ロマーノによれば、両クラブの評価額には現在”大きな溝”があるとされ、妥協点を見出せるかは不透明だという。チェルシーがシティとの交渉を長引かせれば、スパーズはサヴィーニョ獲得のための時間をほとんど、あるいはまったく残せなくなる可能性がある。
デゼルビ「移籍市場はまだ終わっていない」
移籍市場の締め切りは現地時間の9月1日(火)午後11時だが、シャビ・アロンソ、マレスカ、デゼルビはいずれも、開幕節までにスカッドを固めたいと考えている。ネトが自ら退団を望まない限り、チェルシーが最初の一手を急ぐ理由はない。もしチェルシーが動かない構えを崩さなければ、スパーズはやるべき仕事を多く残したまま、状況が見えない状態に置かれることになる。
最近YouTubeチャンネル「Men in Blazers」に出演したデゼルビ監督は、自身とヨハン・ランゲの間で、移籍市場においてまだやり残していることがあると明かした。
「移籍市場では、私たちはまだ終わっていない。異なる野心と結果を掲げて新シーズンを迎えることを楽しみにしている。過去数シーズンよりも強いチームを作る条件を見つけ、再びテーブルの上位で競争する必要がある」
記事解説
この記事が示すのは、サヴィーニョ交渉が事実上”人質”状態にあるという構図だ。スパーズとシティの交渉は、当事者同士の合意だけでは完結せず、チェルシーというまったく別のクラブの意思決定に完全に依存している。以前紹介した「シティは後継確保まで放出を認めない」という報道の、より具体的な裏付けと言える。
「大きな溝」という評価額の食い違いは、この交渉の長期化を示唆する材料だ。チェルシーにとってネトはマレスカ体制の主力であり、安易に手放す動機に乏しい。急ぐ理由がないクラブを相手に交渉を進める難しさは、以前紹介した”3クラブが絡む複雑な連鎖”という構図をさらに複雑にしている。
デゼルビの「移籍市場はまだ終わっていない」という発言は、単なる希望的観測ではなく、経営陣(ランゲSD)との連携のもとで、引き続き補強に前向きな姿勢を示すものだ。9月1日の締め切りまで時間は限られており、この”連鎖交渉”がどのタイミングでほどけるかが、今後の最大の焦点になる。

