レポート
3,400万ポンドで合意に近づく
アトレティコ・マドリードは、ロメロ獲得を巡ってスパーズとの合意に近づいている。固定報酬部分ではまだ数百万ポンドの差があり、ボーナス条項の内容も未確定だが、Daily Mail Sportによれば、他クラブが関心を示す中でも、ディエゴ・シメオネ監督という存在がアトレティコをロメロの本命候補に押し上げているという。
このアルゼンチン人DFには、インテル・ミラン、スパーズの犬猿の仲であるアーセナル、そしてバルセロナからも関心が寄せられていた。アトレティコは現在、ナウエル・モリーナのローマ移籍(1,450万ポンド規模)を進めている最中で、モリーナはすでにメディカルを前にイタリア入りしている。並行して、アストン・ヴィラはアトレティコのマッテオ・ルッジェーリ獲得へ1,600万ポンド規模の交渉を最終段階に進めている。
アーセナルには”認識していない”と回答
Daily Mail Sportによれば、プレミアリーグ王者アーセナルはスパーズのキャプテンの代理人へ、条件について接触していたという。しかしスパーズはガナーズの関心を認識しておらず、28歳のロメロをノースロンドンのライバルへ売却することには消極的だとされる。インテルはすでにスパーズと3,400万ポンドで移籍金の合意に達していたが、個人条件については合意に至っていない。
今夏の移籍市場序盤にセネシをフリーで、ファンヘッケを5,200万ポンドで獲得したことにより、デゼルビ監督の守備陣は十分な選手層を確保しており、ロメロは適正な金額であれば退団が容認される状況にある。それでも、クラブのキャプイテンをライバルのアーセナルへ売却するという選択肢は、スパーズファンにとって到底受け入れられないものであり、クラブとしてもそれを検討することはないとみられる。アーセナルは、W杯で背中の負傷を負ったウィリアム・サリバを今後数ヶ月欠くことになり、守備陣の補強を検討している。
スパーズを去る運命、波乱に満ちたキャリアの一幕
ロメロは、アタランタからの加入以来5年間スパーズに在籍してきたが、プレミアリーグを離れることが運命づけられているように見える。W杯では、リオネル・スカローニ率いるアルゼンチン代表の守備の中心を担い、準決勝でイングランドを撃破したものの、先月の決勝ではスペインに1-0で敗れている。ロメロがスパーズ退団に近づいたのは今回が初めてではなく、アンジェ・ポステコグルー退任後にも一度その可能性があった。昨シーズン終盤、残留争いの最中に膝を負傷し、サンダーランド戦(0-1敗戦)では涙を流しながらピッチを後にしたが、デゼルビ監督はキャプテン不在のままスパーズの残留を成し遂げ、ロメロはその後回復してアルゼンチン代表でプレーしている。
W杯では、相手選手の目の前でのゴールセレブレーションが物議を醸し、決勝敗退後にはドナルド・トランプ大統領との握手を拒否したことでも注目を集めた。インファンティーノ会長からメダルを受け取った後、トランプ氏と握手をせず、そのままチームメイトのもとへ歩み去っている。
記事解説
今回判明した3,400万ポンドという金額は、以前ロマーノ経由で報じられていた「4,000万ユーロ規模」という水準と、通貨換算上ほぼ一致する。複数の情報源が近い水準の金額を独立して報じていることは、この数字自体の信頼性を裏付けていると言えるだろう。
アーセナルへの言及も、以前の記事(「スパーズは上層部が拒否」)と整合する内容だ。今回さらに「スパーズはアーセナルの関心自体を認識していない」という、より具体的な表現が加わったことで、この移籍の実現可能性がほぼゼロに近いことが改めて裏付けられた。移籍の当事者間では数多ある打診の一つだが、ノースロンドンのライバル関係からファンの空騒ぎのネタになった”ボヤ騒ぎ”だと思われる。
モリーナのローマ移籍、ルッジェーリのヴィラ移籍という、アトレティコ側の資金繰りに関する具体的な進展も見逃せない。これらの放出が完了に近づいていることは、以前報じた「アトレティコはこれらの売却完了までロメロ獲得を本格化できない」という状況が、まさに解消されつつあることを意味する。争奪戦の決着は、いよいよ目前に迫っているとみられる。

