レポート
ちょうど6ヶ月、芝生での練習を再開
スパーズのウインガー、ウィルソン・オドベールが、前十字靭帯(ACL)負傷からちょうど6ヶ月というタイミングで、芝生の上で何らかの形でトレーニングを再開していることを示唆する画像を投稿した。今月、スパーズが新たな攻撃陣の補強を模索する中、まだ21歳のこのフランス人選手は、2月10日のニューカッスル戦(ホットスパー・スタジアム)でわずか35分プレーした時点で負傷して以来6ヶ月間戦列を離れており、ファンの間で”忘れられた存在”になりつつあった。
負傷から2日後、スパーズは公式声明で、左膝の前十字靭帯断裂を確認したこと、専門医の診察を経て手術に臨み、その後リハビリを開始する旨を発表していた。フランスU21代表のオドベールは、前シーズンのハムストリングの不調を乗り越え、今シーズンはようやく調子をつかみつつあった。苦しんだチーム状況の中でも33試合に出場し、2ゴール5アシストを記録していた。
フランク体制からデゼルビ体制への”空白”
皮肉なことに、負傷したのはトーマス・フランク元監督にとって最後の試合だった。そのためオドベールは、暫定指揮官イゴール・トゥドール、そして何より現指揮官デゼルビの下では一度もプレーできていない。デゼルビは今夏、残りの移籍市場でウイングを2人補強したい考えを示しており、右サイドではモハメド・クドゥス、デヤン・クルゼフスキが回復途上にある。両サイドでプレー可能なオドベールも、負傷からちょうど6ヶ月というこのタイミングで、今シーズン中の復帰を印象づける投稿をファンに向けて発信した形だ。
月曜日、Instagramにスパイクを履いた自身の写真を投稿し、合掌の絵文字と燃える心臓の絵文字を添えている。ACL負傷の通常のリハビリ期間は最大9ヶ月とされ、オドベールはこれから、グループ練習に近づく前段階として、柔らかい人工芝の上での左膝の強化に取り組んでいくことになる。
同じ負傷を経験した仲間たち
このフランス人選手には、道のりを共にできるチームメイトが多くいる。ジェームズ・マディソン、ロドリゴ・ベンタンクールも近年ACL負傷を経験しており、シャビ・シモンズもオドベールの数ヶ月後に同様の負傷を負っている。先月フィオレンティーナへ移籍したラドゥ・ドラグシンも、ACL負傷後11ヶ月間公式戦に出場できなかった経緯がある。
今夏、シティのサヴィーニョをはじめとする攻撃陣のさらなる補強が見込まれる中、デゼルビは新加入選手と、オドベールのような負傷から復帰する選手たちを合わせ、今シーズンに向けて厚みのあるスカッドを手にすることになりそうだ。
記事解説
オドベールの状況は、以前報じたクドゥス、クルゼフスキの復帰状況とも重なる、今夏スパーズが抱える”見えない補強”の一角だ。新戦力の獲得ばかりが注目される中、実際には複数の負傷者がシーズン中に順次戦列復帰していくことが、実質的なスカッド強化として機能する構図になっている。
「フランク体制での負傷、デゼルビ体制では一度もプレーなし」という経緯は、単に運が悪かったという以上の重みを持つ。新監督のもとでの適性・評価が未知数のまま長期離脱を強いられたという状況は、復帰後にオドベール自身が一からアピールを重ねる必要があることを意味する。今夏の補強状況次第では、復帰後すぐにレギュラーの座を争う厳しい競争が待っている可能性もある。
マディソン、ベンタンクール、シモンズという、同じくACL負傷を経験したチームメイトの存在は、オドベールにとって心強い支えになるだろう。クラブ内にこれだけ同じ負傷の経験者がいるという事実自体、リハビリのノウハウの蓄積という観点では、むしろプラスに働く可能性もある。

