レポート
中盤の主力3人が流出
ニューカッスルにとって、今夏は慌ただしい移籍市場になっている。アンソニー・ゴードンが8,000万ポンドでバルセロナへ移籍したのを皮切りに、スパーズが記録的な1億ポンドで獲得したサンドロ・トナーリも退団。さらにアーセナルがブラジル人MFブルーノ・ギマランイスに触手を伸ばし、7,500万ポンドでノースロンドンの反対側のクラブへの移籍が決まった。過去3シーズン、ニューカッスルの中盤3枚を構成していた選手のうち2人が引き抜かれ、マティアス・ヤイスレ監督は大幅な再編を迫られている。
元スパーズのホイビェアに照準
デイリー・メールのクレイグ・ホープ記者によれば、ニューカッスルは元スパーズMFピエール=エミル・ホイビェアの獲得を検討しているという。31歳のホイビェアは現在マルセイユに所属しており、1,000万〜1,500万ポンド程度で獲得可能とみられている。ホープ記者は、ギマランイス退団の穴を、経験豊富なホイビェアが埋める役割を果たすとの見立てを示している。
サールにも関心、ただしヴィラが先行
中盤補強を必要とするニューカッスルは、今夏すでにスパーズへの接触を試みている。アーチー・グレイの獲得を打診したが即座に拒否され、ルーカス・ベリヴァルへも4,600万ポンドの入札を行ったが、こちらもスパーズは迷わず拒否している。以前報じた通り、パペ・マタル・サールも今夏の放出候補に挙がっており、ニューカッスルが食指を動かす可能性もあるが、アストン・ヴィラが引き続き争奪戦に加わっている状況だ。
記事解説
ニューカッスルのように、同一市場内で複数の主力を放出したクラブには、単なる資金力以上のインセンティブが働きやすい。ゴードン、トナーリ、ギマランイスという3人の穴を埋める必要があるのは、財務上の余裕というより、スカッドの頭数そのものが不足するという実務的な事情による部分が大きい。加えて、今シーズンから導入されたSCR(スクワッド・コスト・レシオ)は、フットボール関連収益(および選手売却益)の85%までをスカッドコストに充てられる、収益連動型の仕組みだ。売却によって得た利益は、この上限枠を押し上げる材料になり、”売った直後に使う”という動きには一定の合理性がある。
この観点に立てば、サールの評価額が多少割高であっても、ニューカッスルが受け入れる可能性はゼロではない。すでにグレイ、ベリヴァルの獲得に2度失敗しており、締め切りが近づくほど選択肢は狭まっていく。ただし、ホイビェアという安価な代替候補がすでに手元にある以上、無理にサールへ高値を提示する必然性は薄いとも言える。最終的には、ニューカッスルがどちらのタイプの補強(経験豊富な安価なベテランか、若く高額なポテンシャル株か)を優先するかによって、サールへの本気度は大きく変わってきそうだ。

