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【移籍】ソロモン、ウェストハムと700万ポンドで合意──当初2,000万ポンドから大幅な値崩れの理由は⋯

【移籍】ソロモン、ウェストハムと700万ポンドで合意──当初2,000万ポンドから大幅な値崩れの理由は⋯

✔ ソロモン、当初2,000万ポンドの評価が最終700万ポンドまで下落
✔ ウェストハムがフィオレンティーナ基準(850万ポンド)近くまで押し切った可能性
✔ クドゥス・クルゼフスキの回復が早期売却を後押しか

レポート

“停止”から一転、合意へ

ウェストハムは、スパーズのウインガー、マノル・ソロモンの完全移籍獲得に近づいている。Standard Sportによれば、このイスラエル代表選手の移籍は正式合意には至っていないものの、完了間近の段階にあるという。ウェストハムは、当初合意として500万ポンドの一時金に加え、200万ポンドの上乗せ条項を含む条件で合意に達したとみられ、スパーズはこれに加えて10%のセルオン条項も設定したとされる。メディカルは今週末に実施される見通しで、公式発表もそれに続く形になる。

財政面の障害は”解消”

この移籍は財政面の理由で一時保留になっていたと報じられていたが、その問題は解消されたようだ。27歳のソロモンは、クリセンシオ・サマーフィルがサウジ・プロリーグのアル・ヒラルへ約6,000万ポンドで移籍したことを受け、ウェストハムの攻撃陣強化を担う存在になると見込まれている。ウェストハムは今夏、フリーでのヨエル・フェルトマン(ブライトン退団後の1年契約)獲得、ケイベル・ラマドリードの完全移籍(ローンからの買取オプション行使)に続き、これが3人目の新戦力となる。奇しくもウェストハムは、降格を経て今夏、ポルトガル代表MFマテウス・フェルナンデスをスパーズへ8,500万ポンドで売却しており、両クラブ間の取引が続いている形だ。

プレシーズンでは主力起用、公式戦出場はわずか

ソロモンは今夏のプレシーズンでスパーズの主力として起用されてきたが、2023年にシャフタール・ドネツクから移籍金なしで加入して以降(その前にフラムでの在籍期間を経ている)、公式戦出場はわずか6試合にとどまっている。昨シーズン前半はスペインのビジャレアルへローン移籍し、1月に呼び戻された後、残り期間はセリエAのフィオレンティーナへ送られた。それ以前にはリーズ・ユナイテッドへのローンも経験しており、そこではチャンピオンシップからの昇格に貢献した実績がある。ウェストハムでも同様の結果を残せるかが注目される。

記事解説

この移籍金の水準は、これまでの報道の推移を踏まえると、決して”順当な着地”とは言い難い。当初、ソロモンには2,000万ポンドという評価が付けられていた。代理人のシュロミ・ベン・エズラ氏も「需要は非常に高い」「来季はイングランドでプレーする可能性が非常に高い」と自信を持って語っていた。それにもかかわらず、最終的な合意額は上乗せ条項を含めても700万ポンドにとどまり、当初の評価額から7割近く目減りした計算になる。

この落差をどう解釈すべきか。一つの見方は、代理人の発言が交渉を有利に進めるための”演出”だった可能性だ。「需要が高い」という言葉とは裏腹に、実際に本気で獲得に動いたクラブはウェストハム一つに絞られており、競合による価格の吊り上げは最後まで起きなかった。もう一つの見方は、フリー移籍で加入し、公式戦出場がわずか6試合にとどまるという実績の薄さが、最終的に市場価値へ厳しく反映されたというものだ。移籍金なしで獲得した選手を、2年越しで700万ポンド程度で放出するという結果は、投資回収という観点では悪くない数字だが、”期待された選手”としては物足りない着地とも言える。

興味深いのは、この700万ポンドという金額が、以前報じたフィオレンティーナの買取オプション(850万ポンド)に近い水準だという点だ。フィオレンティーナはこのオプションを結局行使しなかったが、その評価額自体はある程度の市場の目安として残っていたはずだ。ウェストハムは、この水準に近いところまでスパーズから譲歩を引き出したことになる。直前に交渉”破談”の報道が出ていたことも踏まえると、ウェストハムの「この金額を飲まなければ動かない」という強気の姿勢に、最終的にスパーズが折れた交渉だったとも読める。

もう一つ見逃せないのは、タイミングの問題だ。ソロモンはプレシーズンで右ウイングとして好調な出場を重ねてきた選手であり、本来であれば早期の放出を急ぐ理由は薄いはずだった。それでもこの段階で売却に踏み切った背景には、同ポジションのモハメド・クドゥスとデヤン・クルゼフスキの回復が順調に進んでいることが、後押しになっている可能性がある。特にクドゥスはすでにスカッド全体練習に合流し復帰が近いと報じられており、右サイドの選手層に一定の目処が立ったからこそ、ソロモンを手放す決断がしやすくなったとも考えられる。

10%のセルオン条項が設定された点は、スパーズがこの安値をある程度自覚していたことの表れかもしれない。目先の移籍金では大きな利益を見込めない以上、将来ソロモンがウェストハムで結果を残し、さらに上のクラブへ移籍した際に、その恩恵の一部を回収できる仕組みを残しておく——これは、今回の金額に対する現実的な”保険”だったと考えられる。

ソロモン本人にとっても、この金額は複雑な意味を持つ。「需要が高い」という代理人の発言とは裏腹に、実際の市場評価がここまで下がったという事実は、本人のキャリアにとって決して喜ばしい数字ではない。それでも、チャンピオンシップでレギュラーとして出場機会を得られるのであれば、金額以上に本人が望んでいた”プレーする場所”を手に入れたことにはなる。