レポート
モウリーニョ体制で再び構想外に
エンドリッキは2025/26シーズン後半、リヨンへローン移籍し、全コンペティションで21試合に出場して8ゴール8アシストを記録した。この活躍でブラジル代表のW杯メンバー入りを果たし、レアル・マドリードでのジョゼ・モウリーニョ新体制でも出番を得られると期待されていた。しかし、非情な決断で知られるこの指揮官は、カルロス・エスピ、ヤン・ディオマンデといったFWとWGを補強し、ビニシウス・ジュニオールとは新契約を締結。エンドリッキは再びベンチ外の瀬戸際に立たされている。TEAMtalkによれば、本人の代理人陣営はすでに欧州各国のクラブへ接触を始めており、再びレアルからの退団を検討しているという。
買取オプションなしのローンで先行
20歳のこのストライカーは、今回はプレミアリーグへの移籍を望んでいるとされる。ただしレアル・マドリードは、昨シーズンのリヨン移籍と同様、買取オプションのない単純なローンにしか応じない構えだ。スパーズはこの条件を受け入れる用意があるとされ、同じくこの選手と交渉しているマンチェスター・ユナイテッドに対して優位に立っているという。エンドリッキ自身はまだ最終決断を下しておらず、移籍市場終盤に差し掛かる中、代理人陣営が選択肢の見極めを始めている段階だ。
アンチェロッティが絶賛した”スペクタキュラー”な才能
エンドリッキは、ネイマール以来南米から現れた最も有望な才能の一人と評され、16歳でレアル・マドリードが6,170万ポンドという驚異的な金額を投じて獲得した経緯を持つ。小柄な体格ながら、その資質は高く評価されており、レアルの元監督で現ブラジル代表監督のカルロ・アンチェロッティも、共に過ごした期間に衝撃を受けたと明かしていた。「彼はスペクタキュラー(目を見張る逸材)だ」とアンチェロッティは会見で語っている。
記事解説
まず前提として押さえておきたいのは、今回の情報源であるTEAMtalkの報道自体が、具体的な交渉の進展を告げるものではないという点だ。実際に伝えているのは「代理人陣営が欧州のクラブに接触を始めた」という段階の話に過ぎず、スパーズとレアル・マドリードの間で正式な交渉が進んでいるという確証はない。
その上で考えると、スパーズがドライローン(買取オプションなし)でのエンドリッキ獲得に本腰を入れているかどうかは、率直に言って疑わしい。もし本気の獲得候補であれば、通常はもう少し踏み込んだ交渉状況が伝わってくるはずだ。現時点では「候補として名前が挙がっている」以上の確度は感じられない。
ただし、仮にこの話が本当だとしても、決して不自然な補強戦略ではない。むしろ理にかなっている面もある。スパーズにはすでに、イーライ・ジュニア・クルピや、さらにはハリー・ケインといった、「次の移籍市場であれば本格的に獲得を狙えるかもしれない」本命級のターゲットが控えている。今夏この段階で高額の「準本命」級の完全移籍に踏み込むより、リスクゼロのドライローンでエンドリッキのような若手実力派を見極めておき、本命の獲得は来夏以降に温存するという発想は、資金配分の観点からも合理的だ。

