レポート
2年越しの再浮上
ルーカス・ベリヴァルの名前が、FCバルセロナで再び浮上している。スペイン紙SPORTによれば、2年前にバルセロナの最優先補強候補の一人だったこのスウェーデン人MFは、最近になって代理人陣営からバルサへ売り込まれたという。代理人らは、ノースロンドンでの厳しい状況を打開しようと、欧州の複数の大手クラブに接触しているとされる。今回の移籍金は6,000万ポンド規模とされているが、この金額もありバルセロナの姿勢を変えるには至っていない。
バルセロナは即座に拒否
カタルーニャのクラブの反応は明確だった。スポーティングディレクターのデコは、ベリヴァルの案件を再び開く意思を持っておらず、バルセロナはこの件を、選手から離れた時点ですでに”完全に終わった”ものと捉えているという。クラブの補強計画は、まったく異なるタイプの中盤選手の強化に向けられている。優先事項は、マンチェスター・シティのロドリ獲得の完了であり、中盤の質とリーダーシップを引き上げる理想的な補強と位置付けられている。
2024年の”あと一歩”だった移籍
バルセロナは2024年、ベリヴァルがまだスウェーデンのユーリオーデンスに所属していた頃、獲得寸前まで迫っていた。提示額は700万ユーロ規模で、そこにボーナス条項300万ユーロがプラスされた。本人もバルセロナを訪れ、デコとの面会やクラブの練習施設見学まで果たしていた。しかし最終的に、スパーズがスウェーデンのクラブへのオファーと選手個人の条件の両方でバルセロナを上回った。バルセロナはオファー合戦を避ける判断を下し、スパーズが獲得を成立させることになった。
当時の指揮官シャビ・エルナンデスは、この状況を「一方のクラブがより高い金額を提示し、我々はそれ以上出すべきではないと判断した。それが移籍市場というものだ」と総括している。スパーズ加入後、ベリヴァルはバルセロナよりプレミアリーグを選んだことが、キャリアの中でも最も難しい決断の一つだったと認めていた。
記事解説
今回、代理人陣営がバルセロナへ逆オファーを仕掛けていたという事実は、単独の出来事として読むべきではない。以前報じた通り、ベリヴァルにはノッティンガム・フォレストとニューカッスルからも正式なオファーが届いていた。これらを踏まえると、選手陣営が今夏、真剣に移籍先を探していたことは間違いない。デゼルビによる残留説得が報じられた一方で、実際には今夏の一時期、「放出」がかなり本格的に進みかけていたことを、今回の一件は裏付けている。
では、なぜこのタイミングで残留説得に転じたのか。時系列を紐解くと、アタッカー陣の補強が停滞していた事情が浮かび上がる。イーライ・ジュニア・クルピの獲得は本人の負傷によって流れ、マディソンは股関節の古傷が再発し、パペ・マタル・サールには他クラブから具体的なオファーが届いている。クルピはセカンドストライカーであり、ベリヴァルとはポジションがやや異なるが、ベリヴァルも中盤の中では比較的攻撃的なポジションを担うことがある選手だ。攻撃陣の駒が次々と不確実になっていく中で、ベリヴァルのチーム内での序列・価値が相対的に高まった可能性は十分に考えられる。
もしこうした周辺事情の変化が、デゼルビによる残留説得の背景にあったのだとすれば、この残留は「ベリヴァルへの絶対的な信頼」というより、「他の選択肢が狭まった結果としての、期限付きの引き留め」という側面を持つことになる。だとすれば、シーズンが始まってから本人が大きく成長し、チーム内での序列を明確に押し上げない限り、この冬、あるいは1年後の夏に、再び移籍の機運が高まる可能性は避けられそうにない。しかもその時は、今回以上に選手陣営が主導する形での「移籍」への動きになるだろう。

