レポート
すでに2億3,700万ポンドを投資済み
スパーズはすでにクラブ史上最高額となる2億3,700万ポンドを今夏投じている。象徴的なのは1億ポンドで獲得したサンドロ・トナーリだ。ロベルト・デゼルビ体制のもと、マテウス・フェルナンデスに8,500万ポンド、ヤン・ポール・ファンヘッケに5,200万ポンドを投資したほか、アンディ・ロバートソン、マルコス・セネシ、マルティン・ドゥブラフカをフリーで獲得している。
それでもなお、スパーズは複数の大物候補と関連付けられ続けており、スカッド再建がまだ道半ばであることを示している。降格圏争いが続いた数シーズンを経て、クラブの野心は今、劇的な転換を迎えようとしている。デゼルビのもとでチャンピオンズリーグ出場圏への復帰を目指しており、残る全ターゲットを獲得できれば、投資総額は4億ポンドを超え、リバプールが昨夏樹立した4億4,650万ポンドという記録的な支出に迫る規模になる。
サヴィーニョ:6,000万ポンド
スパーズはマンチェスター・シティで出場機会を失っているサヴィーニョへの追及を強めており、6,000万ポンド規模の移籍が現実味を帯びている。このブラジル人はエティハドで苦戦しており、2シーズンでプレミアリーグ通算わずか2ゴールにとどまっている。それでもスパーズは、適切な環境さえ整えば、22歳のこの選手が力を発揮できると見込んでおり、再出発の場を提供したい考えだ。
シティは6,700万ポンド程度を求めているとされ、長期的なポテンシャルへの自信をうかがわせる。一方でスパーズは、6,000万ポンド前後での妥協点を見出せると楽観視している。シティがチェルシーのペドロ・ネトに関心を示しているとの報道も、後押し材料になっている可能性がある。これはエンツォ・マレスカ体制のシティが、サヴィーニョ抜きの体制に備えつつあることを示唆しており、本人もノースロンドン移籍には非常に前向きとされている。
ガクポ:7,000万ポンド
リバプールFWコディ・ガクポへの関心も強まっている。デゼルビはプレミアリーグでの実績を持つ攻撃力を補強陣に加えたいと考えており、報道によれば両クラブ間で直接交渉が始まっており、7,000万ポンド規模の移籍が現実味を帯びているという。27歳のガクポは2023年のPSVからの加入以降、リバプールの主力であり続けてきたが、アレクサンダー・イサク、ウーゴ・エキティケが前線の序列で上位に位置するようになったことに加え、リバプールがブラッドリー・バルコラのような大物FWにも関心を示していることから、アンフィールドでの長期的な立場は不透明になりつつある。
リバプールはガクポを積極的に売ろうとしているわけではないが、評価額に見合うオファーには耳を傾ける用意があるとされる。リバプールは当初、この万能型フォワードに7,500万ポンドの値札を付けていたが、スパーズはこれをやや下回る金額での合意を見込んでいる。
スカルヴィーニ:4,200万ポンド
スパーズは今夏すでにファンヘッケとセネシを獲得しているが、センターバック補強への意欲はまだ尽きていないようだ。アタランタのジョルジョ・スカルヴィーニが最有力候補として浮上しており、この評価の高いイタリア人には4,200万ポンドの値札が付けられていると報じられている。スカルヴィーニ本人はプレミアリーグ移籍に前向きで、スパーズ加入にもオープンな姿勢とされるが、チェルシーやニューカッスルといったクラブとの競合に直面する可能性がある。
スパーズの長期的な関心は、クリスティアン・ロメロの退団が濃厚になったことでさらに強まった。すでにスカルヴィーニの代理人へ接触したと報じられているが、アタランタは評価額について強気の姿勢を崩しておらず、4,200万ポンドを下回るオファーは受け付けない考えを明確にしている。
記事解説
この記事の価値は、個別の交渉の進捗というより、3案件を横並びで俯瞰した際の投資規模の全体像にある。すでに投じた2億3,700万ポンドに、この3件(合計1億7,200万ポンド)が加われば、投資総額は4億ポンドを突破する。これは、昨夏リバプールが樹立した4億4,650万ポンドという記録的な支出と肩を並べる水準であり、単なる「補強」ではなく「クラブの財政方針そのものの転換」と呼ぶべき規模だ。
3案件それぞれの温度差にも注目したい。サヴィーニョとガクポは、いずれも「直接交渉」「相手クラブの代替候補確保」という具体的な進展段階にあり、実現の可能性は比較的高いとみられる。一方スカルヴィーニは、アタランタが評価額で一切譲歩していない段階であり、チェルシーやニューカッスルとの競合も抱えている。3件が同時に決着する保証はなく、優先順位や資金配分次第で、最終的な組み合わせは変わってくる可能性が高い。
特にプレシーズンでも若干不安さを露呈した右CBのダンソのポジションをサヴィーニョでアップデートしようとしているのであれば、左CBにファンデフェンとセネシを揃えたように、この移籍市場での本気度を感じさせる動きである。同時に、高井幸大が外国人枠に入る可能性にも直接的に影響する動きとなるだろう。
ガクポの項目で新たに明らかになった「イサク、エキティケがすでに序列で上位にいる」という情報も見逃せない。これは、リバプールにとってガクポの放出が単なる噂ではなく、実際のスカッド構成上の必然性を伴っている可能性を示唆している。スパーズにとっては、リバプール側の内部事情が交渉を後押しする追い風になり得る。

