レポート
恩人の存在
コディ・ガクポがリバプールを離れてスパーズへ移籍するには、ヴィルジル・ファンダイクの”お墨付き”が必要になるかもしれない。27歳のガクポは、デゼルビ監督が前線強化を図る中でスパーズへの移籍が取り沙汰されているが、移籍成立は簡単ではないとみられている。スパーズはガクポ獲得に関心を持っており、彼のリバプールとの契約は2030年6月まで残っている。スパーズはマンチェスター・シティのサヴィーニョにも引き続き関心を寄せており、すでに移籍金についてシティと協議を行っている。
サヴィーニョを巡るシティの過去の姿勢
ペップ・グアルディオラが指揮を執っていた当時、シティの首脳陣はサヴィーニョをスパーズへ放出することをブロックしていたとされる。将来性の高い有望株と評価していたためだ。今夏、新指揮官エンツォ・マレスカのもとでプレシーズンにアピールする機会を与えられたものの、サヴィーニョはその後、レギュラーとしての出場機会を求めて退団の意向をクラブに伝えている。
「ユナイテッドに行くな」と助言していたファンダイク
ファンダイクは12月上旬、公の場でガクポにマンチェスター・ユナイテッド行きを思いとどまるよう助言していた。オランダ代表とリバプールの主将である同選手はこう語っている。
「ユナイテッドとレアル・マドリードが同じレベルにあるか? 失礼を承知で言うが、そうは思わない。彼にはもう一段上へ行く力があると本当に思っている。それが冬になるか夏になるか、来年になるかは時間が教えてくれるだろう。彼は努力家で、才能があり、まだまだ伸びしろがある素晴らしい青年だ。彼がうちでこれだけ活躍してくれていることを、私たちは本当に嬉しく思っている。これからも続いてほしい」
記事解説
この記事が浮き彫りにするのは、移籍交渉が単なるクラブ間の金額協議だけで完結しない側面だ。ガクポにとってファンダイクは、かつて自らをリバプール加入へと導いた恩人であり、クラブ内外で絶大な信頼を寄せる存在でもある。同郷かつ同クラブの主将という立場にある人物の”お墨付き”は、単なる助言以上の重みを持つと考えられる。
興味深いのは、ファンダイクが過去にガクポのユナイテッド移籍に否定的な発言をしていた点だ。今回のスパーズ移籍についてファンダイクがどう考えているかは明らかになっていないが、もし同様に消極的な姿勢を示せば、交渉全体に水を差す可能性がある。逆に後押しする発言があれば、ガクポの決断を大きく前進させる材料になるだろう。
言わずもがなだが、ファンダイクがユナイテッド移籍に否定的な発言をした背景には、彼が所属するリバプールとユナイテッドのライバル関係もあるわけで、さらに今回スパーズ行きを後押ししたとしても、「スパーズがレアル・マドリードと同じレベルにある」というわけではないので、その点は注意が必要である。
また、サヴィーニョ交渉における過去の”グアルディオラ・ブロック”の存在も見逃せない。首脳陣が有望株の放出に慎重になるという構図は、経営陣が変わった今でも同様の力学が働く可能性を示唆しており、スパーズにとっては選手個人の意向だけでなく、クラブ内の人間関係・評価構造まで見極める必要がある交渉になりそうだ。

