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【独占】デゼルビ「罵り言葉で口説いた」──ファンヘッケ勧誘の舞台裏、クルゼフスキは”フィット完了”

【独占】デゼルビ「罵り言葉で口説いた」──ファンヘッケ勧誘の舞台裏、クルゼフスキは”フィット完了”

✔ デゼルビ、ファンヘッケへ”罵り言葉”入りメッセージで加入を口説く
✔ 残留争いの最中、あえてアルコール解禁の食事会を設定
✔ クルゼフスキは「フィットして準備万端」と復帰に前向きな言及

レポート

ファンヘッケへの”荒っぽい”勧誘

football.londonのアラスデア・ゴールド記者による独占インタビューで、デゼルビ監督は今夏加入したヤン・ポール・ファンヘッケへの勧誘の裏話を明かした。スパーズが降格寸前まで追い込まれていた状況を踏まえ、デゼルビは罵り言葉を交えたメッセージで、彼にスパーズ加入を迫ったことを認めている。降格圏との勝ち点差がわずか2ポイントという極限状況の中で行われた勧誘だったこともあり、通常の移籍交渉とは一線を画す、切迫感のあるアプローチだったことがうかがえる。

アルコール解禁の食事会

残留争いの終盤、チームの雰囲気を変える一つのきっかけとして、デゼルビはメイフェアの高級店「バッカナリア」で豪華な食事会を設け、あえてアルコールを解禁したという。

「大きな食事会をバッカナリアでやった。アルコールありでね。アルコールは良い薬だ。普通に、真剣に楽しむなら。バカな連中のようにではなくね」と振り返った。続けて「私は団結することで引き出せる力を信じている。そして毎日、彼らへの自分の意見を伝えていった。あの時、彼ら自身が実際よりも悪い状況だと思っていたと思う。でも残留して勝つ可能性はあった」と語り、当時のチームの心理状態にまで踏み込んだ。

「勝利に値するチームはいつもスパーズだった」

デゼルビは昨シーズン終盤の戦いぶりを個別の試合ごとに振り返っている。

「ブライトン戦は勝てる可能性があった。ウルブズには勝った。アストン・ヴィラにも勝った。リーズにも勝てる可能性があった。なぜなら、もし本当に勝つに値するチームがあったとすれば、それはトッテナムだったからだ」と述べた。

チェルシー戦については「勝つに値したとは言えないが、負けるに値したわけでもない」とし、エヴァートン戦は「勝つに値した」と評価している。個々の試合内容を丁寧に振り返るこの姿勢からは、選手たちの奮闘を正当に評価しようとするデゼルビの姿勢が読み取れる。

「オーナーは私の父のようなもの」

デゼルビは今年3月中旬から、スパーズCEOのヴィナイ・ヴェンカテシャム、スポーティングディレクターのヨハン・ランゲと密接に連携してきたと明かした。

「非常にうまくいっている。取締役会との関係としては、これまでで一番良いものだ。放出した選手についても同じだ。ヴシュコヴィッチの件は一緒に進めた。ヴシュコヴィッチの要望について、ヴィナイと、ヨハンと一緒に話し合った。なぜなら、私は自分の仕事だとは考えていないからだ。私はトッテナム、あるいは自分のクラブ、クラブのお金を、自分のお金だと考えている。オーナーは私の父のようなものだ。父にお金を使ってほしい、あるいは損をしてほしいとは思わないだろう。選手を獲得するにしても、放出するにしても、それは一つの家族なんだ」と語っている。

この発言からは、単なる契約関係を超えた、経営陣との深い信頼関係が浮かび上がる。

クルゼフスキは「フィットして準備万端」

長期離脱が続くデヤン・クルゼフスキについても言及があった。デゼルビは「クルゼフスキはフィットして準備ができている。彼はうちのスカッドで最高の選手の一人だ」と述べ、復帰への期待をにじませた。昨年5月のクリスタル・パレス戦で負傷して以来、公式戦から遠ざかっているが、今夏はプレシーズンツアーには帯同せず、ロンドンで個別に回復プログラムを進めてきた。

これまでデゼルビは「次の数週間で見極める必要がある」といった慎重な表現を繰り返してきただけに、今回の「フィットして準備万端」という発言は、これまでで最も踏み込んだポジティブな評価と言える。

記事解説

この独占インタビューが示すのは、デゼルビというマネージャーの人間的な側面だ。単なる戦術家としてではなく、選手を口説く際には多少荒っぽい言葉も辞さず、チームの結束を保つためにあえてアルコールを解禁するなど、極めて人間味のあるマネジメント手法が垣間見える。降格圏との勝ち点2差という極限状況を乗り切った背景には、こうした人間関係の構築があったことがうかがえる。

各試合を振り返る際の丁寧さも印象的だ。単に結果だけで選手を評価するのではなく、「勝つに値したかどうか」という内容面まで踏み込んで言語化する姿勢は、選手たちからの信頼を勝ち取る上で大きな役割を果たしてきたと考えられる。降格圏に沈んでいた時期に、監督が結果以上に内容を正当に評価してくれるという実感は、選手たちの心理的な支えになっていた可能性が高い。

「オーナーは私の父のようなもの」という発言も興味深い。単なる比喩以上に、クラブの資金を自分の資金であるかのように扱うという姿勢は、今夏の大型補強・放出の意思決定プロセスにおいて、デゼルビが単なる現場監督を超えた発言力を持っていることを裏付けている。ヴシュコヴィッチの放出交渉を経営陣と一体となって進めたという事実も、この信頼関係の強さを物語っている。近年のプレミアリーグでは、監督と経営陣の対立が原因で解任に至るケースも珍しくない中、これほど密接な連携を公言する監督は決して多くない。

クルゼフスキの「フィットして準備万端」という発言は、これまでの慎重な物言いと比べるとやや踏み込んだ表現だ。ただし正式な復帰時期には言及していない以上、開幕直後からの起用を確約するものではないだろう。それでも、長期離脱に苦しんできた重要な戦力にとって、明るい兆候であることは間違いない。

総じてこのインタビューは、単なる移籍・負傷情報の羅列ではなく、デゼルビという指揮官の人物像そのものを浮き彫りにする内容だった。荒っぽさと繊細さ、経営陣への絶対的な信頼と選手への深い共感。これらが組み合わさったマネジメントスタイルが、崖っぷちからの残留、そして今夏の大型補強ラッシュを支える土台になっていると言えるだろう。

最後に、このインタビューの性質そのものにも触れておきたい。今回明かされた内容は、いずれもクラブにとってポジティブな内容ばかりで構成されている。荒っぽい勧誘エピソードも、経営陣との蜜月ぶりも、クルゼフスキの前向きな復帰見通しも、すべてクラブのイメージ向上に資する情報だ。アラスデア・ゴールド記者は、スパーズの番記者の中でもクラブ側から重宝されている人物として知られており、こうした”独占的”な内部情報の多くは、クラブが意図的に発信したいメッセージである可能性を念頭に置いて読む必要がある。今後も彼が伝えるクラブの内部情報については、単なる客観報道というより、クラブの広報戦略の一環として受け止める視点を持っておくべきだろう。