レポート
ロマーノが伝えるネト獲得検討
ファブリツィオ・ロマーノによると、スパーズは今夏の補強候補リストにチェルシーMFペドロ・ネトを新たに加えた。スパーズの前線補強は、開幕直後にテンポよく6人を獲得した序盤の勢いと比べると、ここ最近は停滞気味だ。スパーズはこれまで通り、マンチェスター・シティのサビーニョを最優先候補としているが、交渉における突破口はまだ見えていない。
シティ自身がネトの獲得を検討
その理由の一端が、今回のロマーノの報道で明らかになった。シティはサビーニョの後継として、同じくネトの獲得を検討しているという。つまりシティは、サビーニョの後任を確保してからでなければ、スパーズとの取引に応じる構えを見せていない可能性がある。ロマーノは火曜夜、自身のXで、シティがネトの代理人と直接接触し、シティへの移籍に向けた交渉を開始したと明かした。同時に、スパーズもこの”ワールドクラス”のウインガーを補強候補リストに加えたことを確認している。チェルシーは2024年8月、ウォルバーハンプトンから5,400万ポンドでネトを獲得しており、今回売却するとすればどの程度の金額を要求するかは不明だ。
ガクポは”別枠”の関心
スパーズはリバプールのコディ・ガクポにも強い関心を寄せている。デゼルビ監督は来シーズンに向けてこのオランダ代表アタッカーを獲得したいと考えているとされ、ロマーノによれば、ガクポとサビーニョへの関心はそれぞれ独立したものだという。ストライカーではヴィクター・オシムヘンやニコラス・ジャクソンの名前も挙がっているが、ジャクソンについてはアラスデア・ゴールド記者がすでに沈静化させている。
もう一人のプレミア勢、エンディアイエにも関心
スパーズが本命の獲得に至らない場合の代替候補も並行して検討されている。エバートンのイリマン・エンディアイエもその一人で、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、アストン・ヴィラ、さらにはサウジのアル・ヒラルも関心を示しているとされる。今夏のスパーズの補強6人全員がプレミアリーグ経験者であることからも分かる通り、デゼルビはプレミア経験者を優先する傾向があり、この方針は今後の攻撃補強でも変わらないとみられる。
記事解説
この記事が伝える「シティがサビーニョの後継を確保できていないため交渉が停滞している」という説明には、実は疑問符が付く。スタッツが示す通り、シティの左サイド・ワイドのオプションはすでに潤沢だ。冬に加入したアントワーヌ・セメンヨとオマル・マーモウシュは、加入直後の2月以降(シーズン後半戦)にプレミアリーグ全17試合に出場し、即座に主力へ定着している。ジェレミー・ドクも12試合に出場しており、サビーニョ自身も13試合に絡んでいるとはいえ、終盤のジョーカー起用が中心だった。つまり、シティのワイド陣はすでに激しいポジション争いの状態にあり、「後継者不在で身動きが取れない」という状況にはそもそも当てはまりにくい。
この「後継探しによる遅延」という説明は、現時点でロマーノのみが伝えているものであり、他の情報源による裏付けは確認できていない。単独ソースの推測である可能性を念頭に置いておく必要がある。
むしろ注目すべきは、シティの別の思惑だ。過去、コール・パーマーを放出した後にチェルシーで大成功を収められたことは、シティにとって苦い教訓として語られ続けている。この経験を踏まえれば、シティがサビーニョについても「プレミアリーグの他クラブで活躍される」というシナリオを避けたいと考え、国外への移籍を優先している可能性は十分にある。
さらに、シティは資金力の面で不安を抱えていないクラブだ。「少しでも高く売りたい」という金銭的な動機づけが他クラブほど強くないことも、交渉のスピード感を鈍らせている一因かもしれない。これらを踏まえると、スパーズがサビーニョ獲得に固執し、時間と交渉力を注ぎ込み続けることには一定のリスクが伴う。むしろ、ガクポやネトといった他の候補に軸足を移す判断も、現実的な選択肢として浮上してくる。

