レポート
評価額7,500万ポンドが壁に
スパーズは今夏、エバートンのイリマン・エンディアイエ獲得に関心を示している。ただし、エバートンが要求する7,500万ポンドという評価額が、獲得のハードルとなる可能性がある。デゼルビ監督はここまでの補強で総額2億3,500万ポンド規模を投じており、サンドロ・トナーリ(1億ポンド)、マテウス・フェルナンデス(8,500万ポンド)、ヤン・ポール・ファンヘッケ(5,200万ポンド)を獲得したほか、マルティン・ドゥブラフカ、アンディ・ロバートソン、マルコス・セネシをフリーで加えている。現在は前線の補強、特にストライカーとワイドプレーヤーに焦点が移っている。
複数クラブが争奪戦、アル・ヒラルが最有力
エンディアイエは2024年夏にマルセイユからエバートンへ移籍して以降、堅実な結果を残している。加入1年目には11得点、昨シーズンは6得点3アシストを記録した。この実績を受け、スパーズに加え、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、サウジのアル・ヒラルも関心を示している。CaughtOffsideによれば、エバートンが要求する金額を無理なく支払える点で、現時点ではアル・ヒラルが最有力とされる。プレミアリーグ勢の中では、ユナイテッドが最も積極的に動いているとされ、スパーズの関心は現時点では”かなり初期段階”にとどまっているという。
シャビ・シモンズの穴を埋める構想
デゼルビ監督は来シーズン、コナー・ギャラガーとジェームズ・マディソンをトップ下の主な選択肢として起用する構想とみられる。この2人がフェルナンデスとトナーリで構成される新しいダブルピボットの前に並ぶ形だ。その結果、シャビ・シモンズは復帰後、中央ではなく左サイドでの起用が有力視されている。シモンズはシーズン終盤にACL(前十字靭帯)を負傷しており、今シーズンの大部分を離脱する見通しだ。このため、スパーズは当面、シモンズと同系統の選手を左サイドに必要としており、エンディアイエはその条件に合致する。エンディアイエは創造性のあるワイドフォワードで、ドリブル突破に優れ、左のハーフスペースでのプレーを得意とする点が、元RBライプツィヒのシモンズと共通しているという。
記事解説
この動きは、シティ・リバプールとの交渉停滞を受けたターゲットの多様化という文脈で理解できる。サヴィーニョもガクポも、上位クラブとの交渉には時間がかかり、確実性に欠ける。実績十分な選手へ選択肢を広げること自体は妥当な判断だ。
ただし、エンディアイエの獲得が「容易な選択肢」かというと、実情はそう単純ではない。エバートンのモイーズ監督は過去に「彼は最後に売る選手」と明言しており、契約も2029年まで残っている。財政的な売却圧力もなく、クラブ側には交渉を急ぐ理由がない。評価額も7,500万〜9,000万ポンドまで上振れする可能性が報じられており、決して”お買い得”な移籍にはならなそうだ。
さらに、本人の意向がプレミア残留よりもアル・ヒラル(サウジアラビア)への移籍に傾いているとされる点も見逃せない。仮に本人が高額な賃金パッケージを優先するなら、スパーズがプレミア残留のメリットを訴えても交渉を有利に進められるとは限らない。
選手としての評価自体は高い。加入1年目に11得点、2年目も6得点3アシストを記録し、ワールドカップでも存在感を示した。ドリブル突破と創造性を兼ね備えたワイドプレーヤーとして、シャビ・シモンズ不在の左サイドを埋める適任者であることは間違いない。しかし、獲得の実現性という観点では、サヴィーニョやガクポと同様、あるいはそれ以上に不透明な交渉になる可能性が高い。

