レポート
「移籍市場ではサメになる」
デゼルビ監督は前線補強について「欲しい選手がいれば、私はサメになる。ノーとは言わせない」と発言した。続けて「移籍市場はまだ終わっていないが、今夏の補強プロジェクトはすでに60%完了した。次のボンバが来る」と述べ、新たなアタッカーの補強が近いことを示唆した。獲得予定のポジションについても「アタッカーだ」と明言している。
ここ数時間で加速するガクポ獲得の動き
デゼルビの発言以降、スパーズは複数のフォワードと関連付けた報道が発信されている。なかでもコディ・ガクポとの関係は、ここ数時間で急速に強まっているという。スパーズはリバプールのオランダ代表FW獲得へ、さらに動きを強めているとみられる。ガクポ本人も移籍に前向きとされ、直近3シーズンではいずれもゴール関与が二桁に達している。
直近3シーズンで欠場わずか12試合
ガクポの負傷履歴は、スパーズにとって大きな安心材料になりそうだ。リバプール加入後、負傷による欠場は合計でわずか12試合。キャリアを通じて最も欠場が多かったのは、PSV時代の2020/21シーズンの13試合にとどまる。
| シーズン | 負傷内容 | 期間 | 欠場試合数 |
|---|---|---|---|
| 2025/26 | 筋肉系の負傷 | 19日間 | リバプール 3試合 |
| 2024/25 | 打撲 | 6日間 | リバプール 2試合 |
| 2024/25 | 打撲 | 10日間 | リバプール 2試合 |
| 2023/24 | 膝の負傷 | 24日間 | リバプール/オランダ代表 計5試合 |
| 2020/21 | 足首の負傷 | 63日間 | PSV 13試合 |
負傷者続出の前線を救えるか
この耐久性は、負傷者が相次ぐスパーズの前線事情に直結する。現在、モハメド・クドゥス、ジェームズ・マディソン、デヤン・クルゼフスキ、シャビ・シモンズ、ウィルソン・オドベールがそろって負傷離脱中だ。いずれも軽傷ではなく、過去1年で3か月以上戦線を離脱した経験を持つ選手ばかりだという。スパーズが必要としているのは、シーズンを通してコンディションを保てるワイドフォワードであり、ガクポの負傷履歴はその条件に合致するとされている。
記事解説
今回のガクポの一件は、スパーズ加入後に負傷がちになるという、この2年で繰り返されてきたパターンとも無関係ではない。ドミニク・ソランケはボーンマス時代、38試合中37試合に出場するほどの耐久性を誇っていたが、スパーズ加入後はハムストリング・足首・膝と負傷が相次ぎ、手術を要する場面もあった。モハメド・クドゥスも同様だ。ウェストハム時代は目立った負傷歴がなかったにもかかわらず、スパーズでは大腿四頭筋の負傷から手術に至り、シーズンの大半を戦線離脱した。
今夏加入したマテウス・フェルナンデスにも同じ懸念がのしかかる。サウサンプトンとウェストハムでの2年間、負傷による欠場は一度もなかった選手だが、スパーズ加入直後のプレシーズンで”膝の負傷”との臆測が広がり、プレシーズンマッチのメンバーからも外れた。クラブは正式には負傷を否定し、疲労管理の一環だと説明しているが、移籍直後に不安要素が浮上したこと自体、偶然では片付けにくい。
ガクポの獲得を検討する上で、スパーズはこの悪い流れを断ち切る必要がある。個々の選手の資質だけでなく、クラブのメディカル・パフォーマンス部門の対応力そのものが、今後問われることになりそうだ。
この記事の切り口は、これまでのガクポ関連報道とは一線を画す。移籍金や本人の意向といった従来の移籍に関する論点ではなく、「負傷しにくい選手である」という具体的なデータをもって獲得の妥当性を補強している点が特徴的だ。
背景には、スパーズの前線がシーズン序盤からすでに深刻な人員不足に陥っている現実がある。主力候補5人が同時に負傷離脱するという状況は、単なる巡り合わせでは片付けられない構造的な課題を示しており、フィットネスの高い選手を優先的に獲得したいというデゼルビの意図が透けて見える。
一方で、負傷歴の少なさは移籍市場において必ずしも価格を下げる要因にはならない。むしろ「壊れにくい」という付加価値が評価額を押し上げる可能性もあり、リバプールが強気の姿勢を崩さない一因になっているとも考えられる。デゼルビが予告する「次のボンバ」が本当にガクポなのか、今後の動向が焦点になる。

