レポート
トナーリ弾で先制も、ロバートソンの対応ミスで同点に
スパーズはプレシーズン最強布陣でチェルシーに臨み、17分にトナーリが加入後初ゴールを記録した。ソロモンの折り返しをダイレクトで叩き、コルウィルに当たってネットへ吸い込まれた。だが4分後、ロバートソンが背後のエステヴァオを把握できず、ギッテンスのクロスを頭で押し込まれて同点に。前半はキンスキーの好守が続き、キエレマテンは自陣から持ち上がって25m弾を放ちクロスバーを叩くなど、若手が存在感を示した。
後半ダンソが“3分退場”、10人のスパーズは耐えながら勝利
後半開始と同時に投入されたダンソは、グレイのパスがピッチの悪さでバウンドした際に処理を誤り、ジョアン・ペドロに倒れ込む形で接触。投入からわずか3分で退場となり、試合は一気に難しくなった。10人のスパーズはキンスキーの連続ビッグセーブで耐え、キエレマテンの攻め上がりやハーディの安定した守備で試合を繋いだ。終盤はドンリーのシュートがポストを叩き、そのこぼれ球をリシャルリソンが押し込み、90分に劇的勝利を収めた。
選手採点
キンスキー 9 複数の決定機を止め、勝利の最大要因となった。
グレイ 7 右SBと中盤を兼務し、キャプテンとして安定した働き。
ファンヘッケ 7 初出場で落ち着いた対応。クロス対応に課題。
デイヴィス 7 守備と前進の両面で安定。決定機演出も。
ロバートソン 4 失点に直結する対応ミス。胸トラップも危険。
トナーリ 8 初ゴールと高い運動量で存在感。
ベリヴァル 6 運動量は十分だが影響力は限定的。
ソロモン 7 トナーリのゴールを演出。右での存在感は十分。
ギャラガー 6 球際で強度を出すも、退場に伴い交代。
テル 7 突破力とチャンスメイクで複数の好機を作る。
ソランケ 4 前半はほぼ消え、起点になれず。
ダンソ 1 投入3分で退場。試合を壊した。
リシャルリソン 8 10人の前線で奮闘し、劇的弾で勝利を決めた。
ハーディ 7 安定した守備で10人の後半を支える。
ムーア 6 右での関与は限定的だが、勝利に繋がるパスを供給。
ホール 6 右SBで堅実にプレー。
キエレマテン 7 25m弾でクロスバー直撃。攻守で躍動。
ウィリアムズ=バーネット N/A 終盤のみの出場。
ドンリー N/A ポスト直撃のシュートで勝利を呼び込む。
高井幸大 N/A 終盤の守備を安定させた。
ティンギー N/A 短時間での出場。
記事解説
今回のチェルシー戦は、現メンバーで組める最強布陣を並べたことで、開幕に向けた課題が明確に浮き彫りになった。右サイドバックはポロとスペンスがW杯からの合流遅れにより不在だったが、両者が復帰すれば開幕での先発が濃厚であり、右の構造は大きく改善する見込みがある。
センターバックではファンデフェンがコンディション調整で欠場した一方、昨季は負傷でほぼ出番がなかったデイヴィスが復調し、ファンヘッケもまずまずのプレーを披露した。ロメロの去就は不透明だが、セネシが合流すれば4枚の構成は十分に成立し、守備陣に大きな懸念はない。
中盤の3人は前への仕掛けが限定的で、推進力の不足が顕著だったが、マテウス・フェルナンデスの復帰によってこの部分の改善が期待される。
最大の懸念はアタッカー陣で、放出濃厚とみられたソロモンやリシャルリソンに頼らざるを得ないほど駒不足が深刻である。特にソランケはデゼルビのもとで計算できるだけのパフォーマンスをいまだ発揮できておらず、チェルシー戦でも前半はボールが収まらず、クロスのターゲットにもなれず、攻撃の起点として機能しなかった。昨季終盤と同様の課題が続いており、開幕に向けて大きな不安材料となっている。リシャルリソンの去就が揺れる中で、ソランケの復調と並行して代替ストライカーの補強が不可欠であり、攻撃陣の再構築が今季の成績を左右する決定的テーマとなる。

