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【選手評】オークランドでデゼルビが高く評価した3選手──リシャルリソン、グレイ、ハーディが示した“序列争いの変化”

【選手評】オークランドでデゼルビが高く評価した3選手──リシャルリソン、グレイ、ハーディが示した“序列争いの変化”
✔ NZでの試合は2-0で完勝、若手中心の構成でも安定
✔ デゼルビが評価した3選手はリシャルリソン、グレイ、ハーディ
✔ 序列争いに変化が生まれる可能性

レポート

リシャルリソン──去就不透明の中で“必要性”を示す

12分のスカーレットの先制後、後半にリシャルリソンが追加点を決め、攻撃陣の中で最も存在感を示した。左サイドのマティス・テルが運んだボールを確実に押し込み、フィニッシャーとしての役割を果たした。さらに、前線でのボール奪取からタイリス・ホールへ決定機を作るなど、守備と連動したプレーも光った。

デゼルビは今夏の前線補強を明言しており、リシャルリソンは売却候補と見られているが、この試合の働きは「残す価値」を示す内容だった。スカーレットとともに“放出候補”と報じられる中で、リシャルリソンは最も強いアピールに成功したと言える。

アーチー・グレイ──若手中心の構成で主将を任される

デゼルビはオークランドFC戦で多くの主力を温存し、若手主体の構成を選択した。その中で先発したグレイはキャプテンを任され、試合全体のリズムを支配した。中盤に戻ったグレイは、落ち着いた配球と判断の速さで攻撃の起点となり、2得点とも彼のパスが起点となった。

1点目はインスイングのクロスでスカーレットの得点機を作り、2点目はテルを左サイドへ走らせる鋭い縦パスでリシャルリソンの追加点を演出した。昨季は複数ポジションを転々とし、去就の噂もあったが、今夏のプレシーズンで評価が急上昇している。デゼルビが「信頼できる若手」として扱い始めたことが明確に表れた試合だった。

マラカイ・ハーディ──守備の安定を支えた18歳の落ち着き

ハーディはMKドンズ戦に続き、オークランドFC戦でも安定した守備を披露した。相手のレベルは高くないものの、プレシーズン2試合連続で無失点を維持した要因の一つは彼の守備対応である。ボール保持時の落ち着き、対人のタイミング、カバーリングの判断が18歳とは思えない精度で、デゼルビが重視する「後方の安定」を体現した。

デゼルビは基本的に即戦力を優先する監督だが、ハーディはその方針を覆すほどの存在感を示しており、序列争いに割って入る可能性が出てきた。

記事解説

今回のオークランドFC戦でのハーディの台頭は、アカデミーのセンターバック事情を踏まえると特に重要な意味を持つ。昨季はU-18スパーズのジュナイ・バイフィールドが17歳でチャンピオンズリーグに出場し、クラブ最年少記録を更新した。強度、対人、空中戦で既に大人の水準に達していたバイフィールドは、アカデミー産センターバックの評価を一段階押し上げた存在だった。

その流れの中で、今季のプレシーズンでハーディが見せている安定感は“新たな発見”と言える。U-18を主戦場とする選手が、トップチームのプレシーズンでここまで落ち着いてプレーできる例は多くなく、特にデゼルビの戦術はセンターバックに高い判断力と技術を求めるため、適応できる若手は限られる。ハーディはボール保持時の落ち着き、対人のタイミング、カバーリングの判断が18歳とは思えないレベルで、昨季のバイフィールドに続く“連続台頭”を示している。

さらに、バイフィールドとハーディの2名がU-18から同時期に評価を高めていることは、トップチームのセンターバックに欠員が出た場合や、カップ戦でベンチ入りする際の“5番手・6番手”として最適な戦力がアカデミーから供給できることを意味する。これはクラブにとって大きな利点であり、同時に高井幸大のローン移籍を後押しする可能性がある。

高井は昨季から評価が難しい状況が続いているが、アカデミーから2名のセンターバックがファーストチームに近い位置まで台頭している現状では、彼をローン先で継続的にプレーさせる選択肢がより現実的になる。デゼルビは基本的に即戦力を優先する監督だが、ハーディのプレーはその方針を揺らがせるほどの説得力があり、今季の序列争いに割って入る可能性が現実味を帯びてきた。

アカデミーのセンターバックが連続してトップチームに食い込む流れは、クラブの育成方針が正しく機能している証拠であり、今回のオークランドFC戦はその流れをさらに強固にする試合となった。