フットボール界に携わって30年近くになるロベルト・デゼルビにとって、この1週間で2つの新たな経験があった。ニュージーランドに続き、自身初となるオーストラリア訪問である。
日曜日にイーデン・パークでAリーグ王者のオークランドFCを破ったスカッドはオーストラリアへ移動し、現在、水曜日にアリアンツ・スタジアムで行われるシドニーFC戦に向けて準備を進めている。シドニーFCは5月のグランドファイナルでオークランドFCに次ぐ準優勝チームである。その後、土曜日にはアコー・スタジアムで馴染みのある相手であるチェルシーと対戦する。
現地時間月曜日の朝、シドニーでメディアの取材に応じたデゼルビは次のように語った。
「オーストラリアは初めてだ。最初の印象としてシドニーは素晴らしい都市であり、とても美しい。しかし第一に、我々には観光に行く時間はあまりない。我々は仕事をしなければならないし、目の前の任務に集中し続けなければならない」
「ニュージーランドとオーストラリアでのこの数日間で、フィジカルコンディションを向上させ、プレーレベルを高め、選手間の連携や関係性を深めることを目指している」
「トッテナムは世界中にファンがいるため、我々がファンの前でプレーしに行くことは重要だ」
8月22日(土)にGtechコミュニティ・スタジアムで行われるブレントフォードとのプレミアリーグ開幕戦が迫る中、プレシーズンが進むにつれて何を求めているかを尋ねた。
「クオリティを持ち、優れた選手たちを擁する新しいチームを作ることはもちろんだが、魂や情熱、そして我々が持つすべての価値観を備えたチームを作ることだ。現在のフットボールはピッチ上だけのものではないし、ボールを扱っている時だけのものでもない。試合前や日常生活の中にも存在する。1日のうち何時間自分の仕事について考えているかということだ」
記事解説
今回のデゼルビの会見は、プレシーズンの本質的なテーマに集中している点が特徴である。特に「魂・情熱・価値を備えた新しいチームを作る」という言葉は、昨季の残留争いで露呈した“姿勢の問題”を改善するための継続的な取り組みを示している。
デゼルビは戦術家として知られるが、今回の発言は戦術よりも“日常の意識”を重視しており、選手の内面に踏み込むアプローチが続いていることがわかる。また、遠征を単なる試合ではなく、選手間の関係構築や結束強化の場として捉えている点も重要で、プレシーズンの中でも特に密度の高い期間として位置づけている。順位や目標に触れなかったのは、現段階ではチーム作りを優先しているためであり、デゼルビが今最も重視しているのは“開幕までにどれだけチームの基盤を固められるか”という部分だと言える。

