レポート
長距離移動直後の慎重なトレーニング構成
トッテナムは約30時間の長距離移動を経てニュージーランドに到着し、翌日にイーデン・パークで公開トレーニングを実施した。デゼルビは「怪我のリスクを避ける」と明言しており、主力の多くはウォームアップと軽いランニングのみで調整を終えた。昨季の負傷者の多さを踏まえれば、初戦を慎重に扱う姿勢は合理的と言える。
若手中心の“オレンジビブス組”が戦術トレーニングを担当
公開トレーニングで最も注目を集めたのは、オレンジビブスを着た若手11名のグループだった。彼らはミニゲーム形式の戦術トレーニングを担当し、デゼルビとコーチ陣が頻繁にプレーを止めながら細かい指示を与えていた。構成は以下のとおりで、初戦の先発になる可能性が高いと見られている。
GK:オースティン
DF:タイ・ホール、マラチ・ハーディ、高井幸大、キエレマテン
CM:ドンリー、グレイ
AMF:ソロモン、ウィリアムズ=バーネット、ムーア
FW:スカーレット
不在選手の状況
クドゥス、シャビ・シモンズ、クルゼフスキ、オドベールはリハビリ継続のため帯同せず、ヴィカリオは軽傷で一週間の調整期間が必要とされている。ベンタンクールとサールはワールドカップ後の追加休暇を取得し、ポロ、セネシ、ロメロ、スペンスも大会後の休暇で不在となった。さらに、ソウザは体調不良でプレシーズン初日を欠席した影響でフィットネスが不足し、今回の遠征には参加していない。
ウィリアムズ=バーネットが現地で大人気
17歳のウィリアムズ=バーネットは、MKドンズ戦での活躍を受けて現地ファンから大きな注目を集めた。雨の中でも高い技術を披露し、練習後にはサインを求めるファンが殺到した。デゼルビは「年齢ではなく質と態度で判断する」と語っており、彼がこの夏の抜擢候補であることは明白だ。
マディソンは慎重な別メニュー調整
ACLから復帰したばかりのマディソンは、スポーツサイエンススタッフとともに別メニューで調整を行った。ツアー後半での復帰が見込まれるが、現段階では試合出場は難しいと判断されている。
リシャルリソンの“単独登場”で笑いが起きる
公開トレーニングの開始時、リシャルリソンが一人でピッチに飛び出す場面があり、観客が大歓声を上げた。これはチームメイトによるドッキリで、トンネル内で全員が立ち止まり、彼だけがピッチへ向かう形になったもの。長距離移動直後でもチーム内の雰囲気が良好であることを示す象徴的な場面だった。
記事解説
今回の公開トレーニングは、デゼルビが初戦を「無理をしない試合」として扱っていることを明確に示している。主力の多くを軽めの調整に留め、若手中心の11名に戦術トレーニングを集中させた構図は、遠征疲労と昨季の負傷者の多さを踏まえた合理的な判断である。
特に、オレンジビブス組の11名は、デゼルビが“試合で使う前提”で戦術を落とし込んでいることが読み取れ、初戦の先発はほぼ確定的と言える。ウィリアムズ=バーネットの存在感は際立っており、現地ファンの熱狂ぶりとデゼルビの評価を踏まえると、この夏の抜擢候補として最も勢いがある選手となっている。
一方で、ソウザの不参加はチーム編成に影響を与えており、左サイドの序列は再び流動的になった。マディソンの慎重な調整も含め、主力の多くが“段階的復帰”を前提としている点は、ツアー全体の戦略を理解するうえで重要だ。
総じて、今回の公開トレーニングは「若手の試験」「主力の負荷管理」「遠征疲労のケア」という三つのテーマが明確に表れた内容であり、初戦は若手中心の構成で挑むことが確実となった。

