レポート
ロメロ退団が目前に迫る
トッテナムの再構築は今夏も続いており、クリスティアン・ロメロの退団が目前に迫っている。ロメロの代理人チーロ・パレルモがミラノで目撃され、インテルとの交渉が進んでいると報じられた。インテルは28歳のセンターバック獲得に向けて有力な立場にあり、すでに代理人と話し合いを行っている。ロメロにはバルセロナも関心を示しているが、インテルが最有力とされ、移籍金は4,270万ポンドと報じられている。
ルイス・ファミリーが“クラブの軌道修正”を宣言
昨季のトッテナムは17位に沈み、前季の17位と合わせて2年連続で残留争いに巻き込まれた。ヨーロッパリーグ優勝が一時的に状況を覆い隠したものの、クラブの構造的な問題は深刻だった。ルイス・ファミリーはシーズン終了後に声明を発表し、「17位という結果はクラブの規模や潜在力を反映していない」「問題は数年かけて積み重なり、信頼を損ねた」と説明した。
声明では、次のように明言されている。
- クラブの再構築にオーナーとして責任を負う
- “恐れず大胆に戦うスピリット”を取り戻す
- チーム、アカデミー、バックルームを含む全領域に投資する
- クラブは売却しない
- 「変化はすでに始まっている」
デゼルビ体制を全面支援──大型補強が続く
ルイス・ファミリーは声明通り、ロベルト・デゼルビを全面的に支援している。今夏の補強はすでに大規模で、
・サンドロ・トナーリ(1億ポンド)
・メテウス・フェルナンデス(8,500万ポンド)
・ファンヘッケ(5,200万ポンド)
に加え、マルコス・セネシとアンディ・ロバートソンをフリーで獲得している。
昨季の問題点だった守備と中盤の強化に即着手しており、クラブは「時間をかけずに弱点を補強した」と記事は評価している。
記事解説
今回の再構築は、単なる戦力の積み上げではなく、過去2季にわたり機能しなかったチーム構造そのものを入れ替える作業でもある。ロメロは純粋な守備力や対人能力ではリーグ屈指であり、デゼルビのプレースタイルにも適合したはずの選手だが、キャプテンとしてのリーダーシップがチームを安定させる形には結びつかなかった。
ルイス・ファミリーとデゼルビが今夏の再構築で踏み切ったのは、この“ロメロ中心のチーム”からの脱却であり、その役割をピッチ上で担う存在として、デゼルビの教え子であるファンヘッケを5,200万ポンドという大型投資で迎え入れた点にこそ再構築の本質がある。つまり、ロメロ退団と大型補強は矛盾ではなく、過去の軸を手放し、新しい軸を据えるための一連の流れとして成立している。
チーム戦力の再構築という「選手の個の能力」の向上を進める一方で、それでもチーム内最高の「個」であるロメロを放出するという今回の決断は、「最高の個を揃えるだけではチームは強くならない」というフットボールの心理を裏付ける夏の移籍市場となっている。

