レポート
トッテナムはロベルト・デゼルビ体制の再構築を進める中で、さらなる選手売却を容認する姿勢を強めている。ルカ・ヴシュコヴィッチのブライトン移籍(5,000万ポンド)に続き、クラブは「売却効率の改善」を今夏の重要テーマとして掲げているとEvening Standard のサム・タビトーが伝えている。
スパーズは“売却の非効率”を改善へ
スパーズは歴史的に選手売却で価値を最大化できず、他の上位クラブと比べて収益面で大きく遅れを取ってきた。今夏はデゼルビ主導の大型補強により支出が2億ポンドを超えており、クラブは「出場機会が限られる選手を適正価格で売却する」方針を明確にしている。
ベリヴァルは“出場機会不足”から移籍志向を明確化
ルーカス・ベリヴァルは来季の出場機会がさらに減ると見ており、移籍を希望している。ノッティンガム・フォレストが強い関心を示しており、ベリヴァル自身も選択肢を検討中だ。スパーズはトナリとマテウス・フェルナンデスに合計1億8,500万ポンドを投じており、中盤の序列は大きく変化した。
昨季、ベリヴァルはデゼルビの下で出場機会が限定され、残留争いの中で十分なプレー時間を得られなかった。クラブは本来残留を望むが、本人の意向と市場価値を踏まえ、交渉の余地を残している。
スペンスも“状況次第で売却容認”へ
イングランド代表としてW杯で存在感を示したジェド・スペンスも、ベリヴァルと同様に出場機会が限られる見込みだ。スパーズは本来残したい選手だが、複数クラブが関心を示しており、適正価格での売却を検討している。
デゼルビ体制は“入替の両輪”で進む
今夏のスパーズは、積極的な補強と同時に売却の効率化を進めている。新加入が増えれば、当然ながら序列から外れる選手も出る。クラブは「適正価格で売却し、再投資する」という、上位クラブが長年実践してきたモデルへの転換を図っている。
記事解説
スパーズが今夏の大補強を可能にした背景に、長年のダニエル・レヴィ体制による「健全経営」が確実に存在している。スタジアム建設期の厳しい財務運営を乗り越え、負債圧縮と収益基盤の強化を進めてきたからこそ、今夏の2億ポンド規模の大型投資が現実となっている。
一方で、新たな経営陣は健全経営を捨てたわけではなく、むしろ“新しい形の健全経営”を実現するために、大型補強と並行して大型放出を敢行している点が重要だ。これまでのスパーズは移籍市場や選手給与において「ロウリスク・ローリターン」の戦略で、選手価値を十分に回収できず、リスクは軽減していたものに上位クラブと比べて選手売買の効率も著しく低かった。今夏はその弱点を是正し、価値のある選手を適正価格で売却し、再投資するという“売りオペ”を本格的に改善させている。
つまり、スパーズは「ハイリスク・ハイリターン」へと舵を切り、短期的にはボラティリティ(変動幅)が大きくなるものの、長期的な健全経営を維持するための構造改革を進めている。デゼルビ体制の再構築は補強だけでなく、出場機会が限られる選手を適正価格で売却し、資金循環を高めることで成立する。ベリヴァルやスペンスの売却容認は、その新しい経営モデルの一環として理解すべきだろう。
投稿元:Tottenham prepared for more player sales – Evening Standard

