レポート
トッテナムがヴシュコヴィッチをブライトンへ売却した背景について、元スパーズのシニアスカウトでクロアチア育成に詳しいブライアン・キング氏が「理解不能」と強い失望を示した。ヴシュコヴィッチは2023年にハイドゥク・スプリトから約1,200万ポンドで加入し、昨季はハンブルクへのローンでブンデスリーガに適応。バルセロナも関心を示すほど高い評価を得ていた。
しかしトッテナムは今夏、マルコス・セネシとヤン・ポール・ファンヘッケを獲得。センターバックの層が厚くなったことで、ヴシュコヴィッチは「出場機会が見込めない」と判断し退団を希望。結果としてブライトンが総額5,000万ポンドの取引で獲得することになった。
元スカウト「なぜ信じ続けなかったのか」
キング氏は「1,200万ポンドで獲得し、ローン先で成功した選手をなぜ信じ続けなかったのか」と疑問を呈した。さらに「ワールドカップに出場した19歳の選手が、トッテナムで一度も試合に出ずに5,000万ポンドで売られる。ファンヘッケに5,200万ポンドを使い、その後5,000万ポンドで売却する流れは理解できない」と語り、クラブの判断に首をかしげた。
トッテナムは売却に20%のセルオン条項を付けており、将来的な価値上昇を見込んでいることがうかがえる。キング氏は「ブライトンにとってもこの移籍は成功となってほしいし、選手本人も成功してほしい」としつつ、「トッテナムは彼を信じるべきだった」と強調した。
ワールドカップでの評価は分かれる
ヴシュコヴィッチはブンデスリーガで高評価を得た一方、ワールドカップでは初戦のイングランド戦で苦戦し、60分で交代。その後の3試合は出場なしに終わった。これにより「即戦力としてはまだ早い」という見方も一部で出ている。
ただし、19歳という年齢を考えれば成長余地は大きく、トッテナムが“長期的な投資対象”として獲得した選手であったことは間違いない。今回の売却は、クラブのセンターバック補強方針と選手本人の出場機会への強い欲求が重なった結果と言える。
記事解説
今回の報道で最も重要なのは、トッテナムが「育成投資として獲得した選手を、育成の段階に入る前に手放した」という点だ。ローン先のハンブルクで評価を高めたにもかかわらず、クラブは今夏、2人のセンターバック補強に早々に動き出し、特にデゼルビの意向を最重視して教え子であるファンヘッケの獲得を“最優先補強”として進めた。これにより、ヴシュコヴィッチをベンチ中心で一軍に合流させるのか、再度ローンに出すのかという難しい判断を迫られた。最終的にスパーズは、総額5,000万ポンドという高額に加え、20%のセルオン条項、さらに優先買戻権も付帯しているとされる好条件を受け入れ、約4,000万ポンドの売却益を確保する決断を下した。クラブから見れば、補強戦略と財務面の両立を図った“合理的な放出”だったと言える。
一方で、今回コメントを寄せたブライアン・キング氏の評価は、クラブの判断とはまったく逆方向に位置している。キング氏は2002年から2008年までトッテナムのスカウトを務めた人物であり、ヴシュコヴィッチの獲得には関与していない。現在は79歳となり、ノルウェーのコンスベリで生活している。長年スカンジナビア地域の育成・発掘に携わってきた立場から、若手センターバックの扱いに対して強い違和感を示した形だが、現行体制のデゼルビの戦略やクラブ内部の優先順位とは距離がある立場からの評価である点も押さえておく必要がある。
投稿元:Ex-Tottenham scout and Croatian talent-spotter left dumbstruck by Luka Vuskovic treatment

