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【戦術】デゼルビが1億8,500万ポンドを中盤に投じさせた理由 トナーリ&フェルナンデスが新時代の軸に

【戦術】デゼルビが1億8,500万ポンドを中盤に投じさせた理由 トナーリ&フェルナンデスが新時代の軸に

✔ スパーズがトナーリ&フェルナンデスに総額1億8,500万ポンドを投資
✔ デゼルビが求めたのは「ビルドアップの質」そのもの
✔ 2人は昨季の全指標で既存中盤を大幅に上回る

レポート

Football.Londonのアラスデア・ゴールドによれば、ロベルト・デゼルビがスパーズに1億8,500万ポンドの巨額投資を決断させた理由は極めて明確だ。今夏、トッテナムはウェストハムからマテウス・フェルナンデスを8,500万ポンドで獲得し、続いてニューカッスルからサンドロ・トナーリを最大1億ポンド規模の取引で迎え入れた。両者はプレシーズン初日からホットスパー・ウェイで始動し、デゼルビ体制の新たな中盤の核として期待されている。

デゼルビは昨季のスパーズが抱えていた最大の問題を「ボール保持とビルドアップの質」と断言している。彼はクラブ公式インタビューで「ファイナルサードの30メートルを改善するには、自陣の70メートルを改善しなければならない」と語り、後方からの組み立てこそ攻撃全体の質を決めると強調した。相手のプレスを誘い、引き出し、そこを突破する──このデゼルビ特有のビルドアップを成立させるには、後方でボールを失わず、前進させられる中盤が不可欠だった。

BOYLE Sportsのデータによれば、トナーリとフェルナンデスは昨季の全スタッツで既存のスパーズの中盤の選手たちを大きく上回っている。トナーリは1試合あたり46.7本のパス成功数でチーム最高、フェルナンデスは40.7本かつ成功率87.5%で既存選手を凌駕する精度を示した。ライン突破のパスではフェルナンデスが6.5本、トナーリが6.0本で、昨季トップだったジョアン・パリーニャの4.5本を大きく上回る。最終局面でもフェルナンデスが3.7本、トナーリが3.3本と既存選手を圧倒している。

さらに、ボールキャリーでもトナーリが6.1本、フェルナンデスが4.9本と高水準を記録し、守備面でも両者は1試合あたり5回以上のボール奪取を記録している。デゼルビが求める「保持・前進・制圧」をすべて高いレベルでこなせる中盤であり、昨季のスパーズが抱えていた“試合のテンポが維持できない”“相手に押し込まれる”という弱点を根本から解消する存在となる。

記事解説

今回の1億8,500万ポンドの投資は、単なる大型補強ではなく、デゼルビの戦術思想をクラブ全体に実装するための“中核の刷新”となる。スパーズは昨季、複数の監督の下でビルドアップが不安定となり、試合の主導権を握れない時間帯が長かった。デゼルビのフットボールは「保持の質」「前進の精度」「プレス誘導と突破」を基盤とするため、後方からの組み立てが不安定では戦術全体が成立しない。トナーリとフェルナンデスは、この基盤を一気に高水準へ引き上げるための最適解だった。

特にフェルナンデスは、ライン突破のパスと最終局面への供給でリーグ屈指の数値を残しており、デゼルビの攻撃モデルにおいて“前進のエンジン”となる。トナーリはキャリー能力と守備強度を兼ね備え、相手のプレスを誘いながら前進するデゼルビ式ビルドアップの中心となる。両者が揃うことで、スパーズは「保持できる」「前進できる」「押し返せる」中盤を手に入れ、昨季の弱点を根本から解消することが可能になる。

また、デゼルビが「最初の70メートルを改善すれば最後の30メートルも改善される」と語ったように、中盤の質は前線の決定力にも直結する。昨季のスパーズは前線の選手が孤立し、決定機の質が低下する試合が多かったが、トナーリとフェルナンデスの加入により、攻撃の“供給ライン”が劇的に改善される。これは、クルピのような若手アタッカーを育成する上でも大きな意味を持つだろう。

デゼルビ体制は、単なる優れた選手の積み上げではなく、戦術の基盤を構築する段階に入った。今回の投資はその象徴であり、2人が新時代の軸となれば、1億8,500万ポンドは“戦術の中核を買った”極めて合理的な支出だったと言える。

投稿元:The reason Roberto De Zerbi told Tottenham to spend £185m on Sandro Tonali and Mateus Fernandes