レポート
若手流出の連鎖が“次の世代”にチャンスを生む
スパーズは今夏、即戦力中心の補強を進めており、アンディ・ロバートソン、マルコス・セネシ、ヤン・ポール・ファンヘッケを獲得。さらにサンドロ・トナーリ、マテウス・フェルナンデス、サヴィーニョとも交渉を進めている。欧州大会がない来季は試合数が限られるため、若手の出場機会は大幅に減少する見込みだ。
その結果、ルーカス・ベリヴァルとルカ・ヴシュコヴィッチが退団希望をクラブに伝え、マイキー・ムーア、ランクシャー、メイソン・メリアら攻撃陣の若手もローンに出る可能性が高い。
デゼルビが次に目を向けるのは“17歳コンビ”
若手の大量流出により、デゼルビが次に目を向けるのは、さらに下の世代──17歳のジュンアイ・バイフィールドとルカ・ウィリアムズ=バーネットだ。バイフィールドは昨季、チャンピオンズリーグでドルトムントやフランクフルト相手に落ち着いたプレーを披露し、マンチェスター・シティ戦でプレミアリーグデビューも果たした。
ウィリアムズ=バーネットは攻撃的MFやウイングをこなす万能型で、ユースでは圧倒的な得点力を誇る。昨季のカラバオ杯でトップチームデビュー済みで、デゼルビが好む“複数ポジションをこなせる攻撃的タレント”という点で評価が高い。
センターバックは“人員不足”の可能性も
ヴシュコヴィッチ、クリスティアン・ロメロ、ラドゥ・ドラグシンが退団する可能性があるため、センターバックは一気に層が薄くなる。左はファンデフェンとセネシ、右はファンヘッケとケヴィン・ダンソが主力となるが、控えはベン・デイヴィスのみ。バイフィールドにとっては大きなチャンスとなる。
カップ戦と負傷者が“若手の窓”を開く
デゼルビはカラバオ杯やFA杯序盤で若手を積極的に起用する可能性が高く、さらにスパーズ特有の負傷者問題も若手に出場機会をもたらす要因となる。バイフィールドとウィリアムズ=バーネットは、プレシーズンで評価を得られればトップチーム帯同が現実的になる。
記事解説
今回のベリヴァルとヴシュコヴィッチの退団希望は、スパーズにとって痛手である一方で、クラブ内部の“世代交代の構造”を大きく動かす出来事でもある。デゼルビが即戦力中心の補強を進める以上、若手の序列は大きく変わり、これまでトップチームに近かった選手がローンに出る一方で、さらに若い世代に突然チャンスが巡ってくる構図が生まれている。
特にバイフィールドとウィリアムズ=バーネットの2人は、単なる“次の若手”ではなく、デゼルビのスタイルに適した特徴を持っている点が重要だ。バイフィールドは17歳とは思えない落ち着きと対人能力を持ち、ウィリアムズ=バーネットは複数ポジションをこなせる柔軟性と得点力を備えている。デゼルビが求める“判断力と技術を兼ね備えた若手”という条件に合致している。
また、来季は欧州大会がないため、若手の出場機会は限られるが、逆に言えば“本当に評価された若手だけが残る”シーズンでもある。デゼルビがプレシーズンで誰を選ぶのかは、クラブの未来を左右する重要な判断となるだろう。
ベリヴァルとヴシュコヴィッチの流出はクラブにとって痛みを伴うが、その空白を埋める形で新たな才能が台頭する可能性もある。スパーズの若手育成は“直線的な階段”ではなく、“空いた枠に誰が飛び込むか”という競争構造で成り立っている。17歳コンビがその枠をつかむかどうか、今夏のプレシーズンは大きな分岐点になる。
投稿元:The two Tottenham wonderkids who will benefit from Bergvall and Vuskovic transfer problem

