レポート
スパーズはブライトンからの3,500万ポンドのオファーを含む2度の提示を拒否したものの、ファンヘッケの加入決定により、19歳センターバックのヴシュコヴィッチの立場が大きく揺らいでいるとSky Sportsが報じている。ヴシュコヴィッチは昨季ハンブルクで欧州屈指の若手DFとして評価を高めたが、本人は「レギュラーとしてプレーできるクラブ」を強く望んでおり、スパーズが提示する“再ローン案”には興味を示していないという。
スパーズは今夏、マルコス・セネシをフリーで獲得し、さらにファンヘッケを5,200万ポンドで迎え入れる。ミッキー・ファンデフェンとクリスティアン・ロメロが残留した場合、ヴシュコヴィッチは実質的に“5番手”のセンターバックとなる見通しだ。Sky Sportsは「スパーズ内部ではヴシュコヴィッチが将来“世界最高クラスのDF”になり得るとみているが、現時点ではプレミアリーグのレギュラーとしてはまだ準備が整っていないと評価している」と伝えている。
一方、ブライトンはファンヘッケをスパーズに売却した直後であり、ヴシュコヴィッチ獲得に強い関心を持っているが、現時点で次のオファーを出す予定はないとされる。クロアチア代表監督のダリッチも「レギュラーで出られるクラブに行くべきだ」とコメントしており、ヴシュコヴィッチの去就は今夏の移籍市場で最も注目される案件の一つとなっている。
記事解説
今回のSky Sportsの報道は、スパーズが“デゼルビ体制の守備再構築”を進める中で、ヴシュコヴィッチの扱いが極めて難しい局面に入っていることを示している。ファンヘッケとセネシという“ビルドアップ能力に優れた即戦力CB”を揃えたことで、デゼルビの戦術に必要な第一フェーズの質は大幅に向上する。一方で、ヴシュコヴィッチは将来性を高く評価されながらも、現時点ではプレミアリーグのレギュラーとして計算できる段階にはない。クラブは売却ではなくローンを望むが、本人はローンを拒否しており、両者の意向が完全に食い違っている。
さらに、ロメロの将来が不透明である点も状況を複雑にしている。ロメロに大型オファーが届けばスパーズは売却を検討するとされ、その場合ヴシュコヴィッチの残留価値は一気に高まる。しかし現時点ではロメロ残留の可能性が残り、ヴシュコヴィッチは序列5番手のままシーズンを迎えるリスクがある。スパーズはデゼルビの要求に応える形で守備陣を刷新しているが、その裏で“将来の主力候補をどう扱うか”という難題に直面しており、今夏の移籍市場における最も繊細な判断の一つとなる。

