レポート
スパーズが今夏の最重要ターゲットとしてトナーリを正式にリストアップしたとSky Sportsが報じている。デゼルビは中盤の技術的クオリティ向上を最優先課題に掲げており、試合を支配できるプレーメイカーの獲得が不可欠と判断している。トナーリはその理想像に最も近い存在で、デゼルビはクラブに対して強い獲得要望を出しているという。
トナーリは2024年に契約を延長しており、現在の契約は2029年まで残っている。契約にはリリース条項が存在せず、ニューカッスルは売却に極めて消極的で、検討するとしても“巨額のオファー提示のみ”とされる。すでにアントニー・ゴードンをバルセロナへ売却しており、財務的に無理をする必要がない点もこの交渉を難しくしている。
一方で、トナーリはプレミアリーグ屈指の中盤として評価されており、アーセナル、マンチェスター・シティ、マンチェスター・ユナイテッドが以前から関心を示していた。しかし、シティはノッティンガム・フォレストのエリオット・アンダーソン獲得に動いており、移籍金は1億ポンド超になる見通しで、市場全体の価格上昇を招いている。ユナイテッドはアタランタのエデルソン獲得で合意し、さらにマテウス・フェルナンデスを追っているため、トナーリ争奪戦から後退した。
スパーズはすでにアンディ・ロバートソンとマルコス・セネシをフリーで獲得し、さらにヤン・ポール・ファンヘッケの獲得にも動いている。ブライトンはヴシュコヴィッチに3,000万ポンドのオファーを提示したが、スパーズは現時点で応じる姿勢を見せていない。攻撃面では、ソン・フンミンの後継として1年以上追跡しているサヴィーニョを今夏の候補に据えている。
また、GK陣にも動きがある。ヴィカーリオにはユベントスが関心を示しており、デゼルビの下で正GKを務めたキンスキーが評価を高めている。中盤ではパリーニャの買い取りオプションが失効しており、再交渉にはバイエルンとの合意が必要となる。
記事解説
Sky Sportsの報道は、これまでのトナーリ関連情報とは異なり、“契約構造”と“市場全体の動き”という二つの視点からスパーズの難しさを浮き彫りにしている。まず、トナーリが2029年まで契約を残し、リリース条項が存在しない点は、ニューカッスルが完全に主導権を握っていることを意味する。すでにゴードンを高額で売却しているため、資金面の必要性も薄く、スパーズが交渉に入るだけでも極めて高いハードルが存在する。
さらに、シティがアンダーソンに1億ポンド超を投じる見通しであることは、中盤市場全体の価格を押し上げる要因となり、トナーリの評価額にも直接影響する。ユナイテッドがエデルソンやマテウス・フェルナンデスを優先し、争奪戦から後退したことで競争相手は減ったが、この“他クラブの動き”がスパーズの判断に影響した可能性は高い。つまり、シティとユナイテッドが別ターゲットへ向かったタイミングを見計らい、スパーズがトナーリ獲得に本格的に動いたとも読み取れる。競争が最も激しい局面を避け、デゼルビの存在を最大限に活かせる状況を待っていたと考えると、今回の参戦は戦略的な一手と言える。
スパーズはロバートソンとセネシの獲得で守備の土台を整え、ファンヘッケ、サヴィーニョ、パリーニャら複数の補強を同時進行で進めているが、トナーリ獲得はその中でも“象徴的な一手”となる。契約状況、市場価格、競合クラブの動きなど、複数の要素が絡む極めて難易度の高い案件であり、成立すればクラブの方向性を決定づける大型補強となる。
なお、トナーリへの動きが近いポジションのパリーニャの移籍の遅延にも影響している可能性はありそうだ。

