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【コラム】ENICの25年は何を残したのか──“リセットのリセット”を繰り返すスパーズの構造的欠陥

【コラム】ENICの25年は何を残したのか──“リセットのリセット”を繰り返すスパーズの構造的欠陥

✔ ルイス・ファミリーの25年は「フットボール軽視」の連続
✔ チャリントン会長・ヴィナイCEOの説明は矛盾だらけ
✔ デゼルビ体制の未来は“上層部の無知”に左右される

レポート

The Fighting Cockのコラムニスト、マーティン・クロークは、スパーズが「世界9位の収益規模を持ちながら、2年連続で残留争いに巻き込まれた」現状を、ルイス・ファミリー(クラブのオーナー企業であるENICの実質的支配者)の25年にわたるフットボール軽視の帰結だと厳しく批判している。

コラムによれば、シーズン終了直後に発表された一連の声明は、クラブ上層部の混乱と責任回避を露呈した。チャリントン会長は「ルイス・ファミリーが昨年9月に介入し、フルリセットを指示した」と語ったが、25年間フットボールを優先してこなかった事実を自ら認めた形となった。

さらに、ルイス・ファミリー自身が後追いで声明を出し、「専門家を信頼しすぎた」と責任を部下に転嫁。だが、その“専門家”を任命したのは他ならぬ彼らであり、説明は矛盾している。

CEOのヴィナイ・ヴェンカテシャムも、就任当初はダニエル・レヴィを「長年の信頼関係」と称えていたが、数ヶ月後には「重大な問題があった」と主張を翻した。コラムはこの一貫性の欠如を「信頼を損なう最大要因」と指摘する。

監督人事でも混乱は続いた。トーマス・フランクを引っ張りすぎ、イゴール・トゥドールをデゼルビより“安いから”選んだとされる判断は、いずれもフットボールを最優先にしていない証拠だと批判されている。

クロークは、現在のスパーズには「トップレベルのフットボール知識を持つ人物が不在」であり、ヨハン・ランゲの退任と、ベン・デイヴィス、トビー・アルデルヴァイレルト、さらにはクラブ歴代最多出場記録を保有する大レジェンドのスティーブ・ペリマン(74)のような“スパーズを理解する人材”の登用を提案している。

最後に、ルイス・ファミリーが「変わる可能性は極めて低い」とし、唯一の希望は“適切な買収者の登場”だと結論づけている。ただし、買収者選びを誤れば再び同じ過ちを繰り返すため、慎重さが求められるとも述べた。

記事解説

このコラムの核心は、スパーズが抱える問題が「監督」や「選手」ではなく、もっと上位のレイヤー──すなわち経営構造そのものにあるという点だ。25年にわたるルイス・ファミリーの統治は、スタジアム建設や商業的成功をもたらした一方で、フットボール部門の軽視を常態化させた。

チャリントン会長とルイス・ファミリーの声明は、責任の所在を曖昧にし、過去の失敗を“前任者のせい”にする典型的なパターンだ。だが、レヴィに長年権限を移譲し、フットボール知識のない上層部の構造を維持してきたのはルイス・ファミリー自身であり、批判は免れない。

デゼルビ体制は明確な方向性を持ち、選手の成長と戦術的再構築を進めている。しかし、上層部の意思決定が不安定なままでは、どれだけ優れた監督でも長期的な成功は望めない。特に、移籍市場での迷走はデゼルビの哲学と衝突する可能性が高い。

クロークが提案する「フットボールを理解する人材の登用」は、スパーズが本来持つ文化を取り戻すための現実的な処方箋だ。特にヴィヴィ・ルイスと親睦が厚いペリマンのような象徴的存在を上層部に置くことは、クラブの価値観を再定義する上で大きな意味を持ち、さらにはファンの理解を得る上でも有効だろう。

結局のところ、スパーズが抱える最大の問題は“責任を取らない(責任を現場になすりつける)文化”であり、これを変えない限り、どれだけリセットを繰り返しても結果は同じだ。今季の残留争いは、その構造的欠陥が極限まで露呈した象徴的なシーズンだった。

投稿元:Seventeenth twice and they don’t know how, what move for ENIC now?