レポート
デゼルビは今夏、スパーズの再構築に着手する。その最初の判断材料となるのが、ゴールキーパー3名──ヴィカーリオ、キンスキー、オースティンだ。Football Londonのアラスデア・ゴールドは、この3名の“去就の妥当性”を整理している。
ヴィカーリオ:117試合で170失点、今夏が“別れのタイミング”
2023年にエンポリから加入したヴィカーリオは、117試合で170失点・29クリーンシート。数字だけ見れば厳しいが、守備崩壊のチーム事情を考えれば彼だけの責任ではない。
ただし、今季はヘルニアを抱えながら45試合に出場し、特に“足元の不安定さ”が顕著だった。デゼルビのGKには、ビルドアップの起点としての精度が必須条件であり、ここが最大のネックとなる。
イタリア国内からの関心も強く、クラブ・選手・監督の三者にとって“自然な別れ”のタイミングが来ているとゴールドは指摘する。
評価:Sell(売却)
キンスキー:残留争いを救った“守護神候補”
数ヶ月前なら評価は違っただろう。しかし、キンスキーはシーズン終盤の7試合でスパーズを救った。ウルブス、リーズ、エヴァートン戦でのビッグセーブは残留の決定打となり、デゼルビも試合中に何度も拍手を送っていた。
特筆すべきは、彼の足元の技術。デゼルビの要求する「プレスを誘い、剥がし、前進させるGK像」に最も近いのがキンスキーだ。
ヴィカーリオの去就に関係なく、キンスキーは来季の“1番手争い”に名乗りを上げたと言える。
評価:Keep(残す)
オースティン:クラブ育成枠としての価値が最大
オースティンは19年前に加入したクラブ育成枠のGKで、今季の出場はゼロ。しかし、欧州カップ戦がない来季は「育成枠のためにベンチ入りさせる必要がない」ため、ローンの可能性が生まれる。
ただし、GKのローンは難易度が高く、実戦経験の少なさもネック。現実的には、来季も“第3GK”として残る可能性が高い。
評価:Keep(ローン先がなければ残す)
記事解説
デゼルビ体制におけるGK再編の核心は、「ヴィカーリオの後任にどのタイプを据えるか」に尽きる。キンスキーは終盤7試合で残留を決定づけるビッグセーブを連発し、足元の技術においてはデゼルビの理想像に最も近い存在だ。しかし、ショットストップを含むの守備能力──特にクロス対応やハイライン背後の管理──にはまだ未知の部分が多い。
そのため、クラブ周辺では「プレミアでの実戦経験があり、足元の技術に優れたGKを獲得する」という報道が続いている。デゼルビのフットボールはGKを“最初のレジスタ”として扱うため、単にシュートを止めるだけでは不十分で、プレッシャー下での判断力と配球精度が必須条件となる。
キンスキーはその哲学に適応できる素材だが、来季を通して正GKを任せるにはリスクがある。だからこそ、スパーズは「即戦力の足元系GK」と「成長途上のキンスキー」という二枚看板でポジション争いの環境を作ることが理想的だ。デゼルビのフットボールはGKの質で成否が大きく変わるため、この夏のGK補強は単なるポジション整理ではなく、チーム全体の戦術基盤を左右する最重要テーマになる。
投稿元:Vicario, Kinsky and Austin – If Tottenham and De Zerbi will keep, sell or loan their goalkeepers

