レポート
トッテナムCEOヴィナイ・ヴェンカテシャムが、BBCなどを通じて2度めの新たなインタビューに応じた。今季のスパーズは17位フィニッシュ、残留争いの末に辛うじてプレミアに踏みとどまったが、その裏側で何が起きていたのか。今回のインタビューは、クラブ内部の構造的問題をCEO自身が認める内容となった。
ヴェンカテシャムは冒頭から「恥ずかしい」「受け入れがたい」と語り、クラブの現状を厳しく総括した。特に印象的だったのは、「外から見ていたよりも内部ははるかに悪い状態だった」という言葉だ。これは、ダニエル・レヴィが24年間築いてきたクラブ運営の“遅れ”が、想像以上に深刻だったことを示す。
CEOは「プレミア全体のフットボールオペレーションが急速に進化したが、トッテナムは多くの領域で取り残された」と説明。9月、レヴィ退任後に“全面リセット”を開始したと明かし、「選手1人、スタッフ1人を入れ替える程度では直らない。根本的な再構築が必要だった」と語った。
一方で、最も批判が集中したのは、前線が壊滅していたにもかかわらず、ギャラガーとソウザの補強にとどまり、実質的に攻撃陣のテコ入れをスルーした1月の補強戦略についてだ。攻撃陣が壊滅状態で、前シーズンのチーム内得点王のブレナン・ジョンソンを売却したにもかかわらず前線の補強を十分に行わなかった判断は、残留争いを決定的に悪化させた要因だった。しかしヴェンカテシャムは「スカッドのバランスが悪かった」「夏に直すべきだった」と一般論に終始し、具体的な責任には触れなかった。
また、CEOは「これは誰かを批判する意図ではない」と繰り返したが、実際には“過去の運営”を否定する内容が多く、レヴィ体制への間接的な批判が随所に見られた。給与構造、トレーニング環境、メディカル部門、アカデミー、パフォーマンス部門など、クラブの基盤が時代遅れだったことを強調した。
最後にヴェンカテシャムは「我々はこれを修正する。クラブを本来あるべき場所に戻す」と語り、夏の移籍市場と内部改革への投資を約束した。
記事解説
今回のインタビューは、クラブの“失敗の原因”をCEO自身が整理しようとする試みだが、同時に“語られなかった部分”が非常に多い。特に1月の補強は、残留争いを決定づけた致命的判断であり、質問も鋭かったが、ヴェンカテシャムは政治家のように話題をすり替え、責任の所在を曖昧にした。
また、レヴィ体制への直接的な批判は避けつつも、「内部は外から見た以上に悪かった」「多くの領域で取り残された」という発言は、24年間の運営がクラブの競争力を大きく損なっていたことを示す。これは、スパーズが“ビッグクラブの皮を被った中規模クラブ”に戻ってしまった理由を説明するものだ。
一方で、ヴェンカテシャムが語った“全面リセット”は、クラブが本気で構造改革に取り組んでいる証拠でもある。給与体系の見直し、トレーニング環境の再構築、メディカル部門の刷新、アカデミー強化、女子チームへの投資など、クラブ全体のアップデートが進んでいる点は評価できる。
ただし、ファンが求めているのは“説明”ではなく“結果”だ。四半世紀にわたり言葉だけが先行し、実行が伴わなかった歴史がある以上、今回の改革が本物かどうかは、今夏の移籍市場と来季のパフォーマンスで判断されるべきだ。
投稿元:Tottenham transfer vow, January window swerve, Levy issue – New Venkatesham interview examined

