レポート
フランスのL’Équipeが報じたところによると、マルセイユの匿名現役選手が「ロベルト・デゼルビはメディ・ベナティアとその側近を強く警戒していた」と証言した。2024/25シーズンのマルセイユ内部では、クラブ内情報が外部に漏れる“リーク問題”が深刻化しており、デゼルビはその発信源がベナティア周辺にあると疑っていたという。
匿名選手は「デゼルビはすぐに、ベナティアとその人間関係が多くのリークの背後にいると理解した」と語り、特定のSNSアカウントやウェブサイトに“同じ種類の情報”が繰り返し掲載されていたと証言した。
さらに選手によれば、内部で評価を落とした選手が外部メディアで急に批判されるケースが多発し、「誰かを追い出したい時、同じアカウントがその選手を叩き始めた」と述べている。
シーズン後半にはデゼルビとベナティア周辺の関係は完全に悪化し、コミュニケーションはほぼ崩壊。ローマでの合宿では、デゼルビが“特定の人物をチームから距離を置かせた”とされる。
今回の証言は、L’Équipeが報じたマルセイユ内部の“パラノイア・分断・毒性文化”の一部であり、デゼルビ退任の背景にあった複雑な内部事情を浮き彫りにしている。
記事解説
今回の証言は、デゼルビがマルセイユで直面した内部対立の核心を示すもので、単なる情報漏洩ではなく、クラブ内部の権力構造が歪んでいたことを浮き彫りにしている。匿名選手が語った「同じ媒体に同じ種類の情報が繰り返し出る」という現象は、リークが偶発的ではなく、意図的に操作されていた可能性を示唆している。
デゼルビは戦術的な緻密さと内部統制を重視する監督であり、情報管理の乱れはチームの一体性を損なう最大のリスクと捉えるタイプだ。だからこそ、ベナティア周辺からのリークが続いたと感じた時点で、彼が強い不信感を抱いたのは自然な流れだったと言える。選手の評価が外部メディアで突然変化する状況が続けば、監督とフロントの間に深い溝が生まれるのも避けられない。
ローマ合宿で“特定の人物を遠ざけた”という証言は、内部の緊張が戦術や選手起用の領域を超え、組織の信頼関係そのものが崩壊していたことを示す象徴的なエピソードだ。デゼルビが退任に至った背景には、単なる成績不振ではなく、こうした内部政治の存在があったことが改めて明らかになった。
スパーズ視点で見ると、この証言は重要な意味を持つ。デゼルビは選手間の内部政治や派閥争いを極端に嫌い、クラブの透明性と一体性を強く求める監督である。スパーズが彼を支えるためには、情報管理の徹底と、クラブ全体が同じ方向を向く組織文化が不可欠になる。
具体的には、シーズン半ばにSNSを用いて経営陣への批判を行ったロメロの行動は、仮にその批判に正当性があったにしても、デゼルビは好まない可能性がありそうだ。

