レポート
ACL多発は「異常」──クラブが正式に認めた深刻な問題
BBCによると、トッテナムは今季の負傷問題、とりわけ異常な数の前十字靭帯(ACL)損傷を受け、医療・パフォーマンス部門の大規模レビューを開始した。記事は「トッテナムはACLの発生数が“通常より多い”ことを認めている」と報じている。
今季ACL損傷を負った主な選手は以下の通り。
- ジェームズ・マディソン
- ウィルソン・オドベール
- シャビ・シモンズ
- デヤン・クルゼフスキ(昨季末の負傷で今季全休)
これにより、クラブは「なぜこれほど多くの重傷が発生したのか」を徹底的に調査する方針を固めた。
稼働率77%、累計離脱日数2000日超──数字が示す“異常事態”
BBCは、トッテナムの今季の選手稼働率が平均77%にとどまり、選手の離脱日数は合計2000日以上に達したと報じている。クラブはこれを「90%以上・1000日未満」に改善することを目標に掲げている。
これは、マディソンが語った「怪我の数は天文学的」という発言を裏付ける数字であり、今季のスパーズが“異常なシーズン”だったことを示す。
ピッチの“硬さ・反発力”も調査対象──だが現時点では問題なし
クラブは、ACL損傷の原因としてしばしば議論されるピッチの硬さ・反発力についても調査を実施。ホームスタジアムと他クラブのピッチ、エンフィールドの練習場を比較したが、現時点では大きな差は確認されていないという。
ただし、調査は継続中であり、さらなるデータ収集が行われている。
新パフォーマンス部門トップが提言──“個別最適化”と“心理サポート”を強化
レビューを主導するのは、今年シティ・フットボール・グループから加入したダン・ルウィンドン。彼は以下の改善策を提示している。
- 選手ごとの個別プロファイル作成(筋力・疲労・体質・心理状態)
- リハビリの一部を外部施設で行うことを容認
- 心理サポートの強化(専任ヘッド・オブ・サイコロジーを新設)
- デゼルビと医療部門の連携強化(復帰判断を三者協議制に)
特に「外部医療機関の利用を認める」という方針は、プレミアリーグ全体で増えている流れに合わせたもので、選手の自主性を尊重する方向へ舵を切った形だ。
記事解説
このBBC報道は、トッテナムが今夏に医療・パフォーマンス部門の全面的な再構築に踏み切ることを示す決定的な材料だ。特に重要なのは以下の3点である。
① ACL多発は“偶然”ではなく“構造的問題”
クラブ自身が「異常」と認めたことで、マディソンやファンデフェンが語っていた“怪我の連鎖”が、単なる不運ではなかったことが明確になった。
② デゼルビ体制との連動
デゼルビは「ムードを変える」「ファーストレベルの選手が必要」と語っているが、その前提として怪我をしないチーム作りが不可欠。医療改革は戦術改革と同じくらい重要な柱となる。
③ 個別最適化+心理サポートという“現代型アプローチ”
選手の疲労・体質・心理状態まで含めたプロファイル作成は、欧州トップクラブが採用する最新手法。トッテナムはようやくそのレベルに追いつこうとしている。
総じてこの記事は、トッテナムが今季の“天文学的な怪我の数”を真剣に受け止め、クラブ全体の構造改革に踏み切ることを示す重要な報道である。
投稿元:Spurs launch review after season of injury woe | BBC Sport

