レポート
ヴィカーリオの離脱が“問題”ではなくなった理由
3月の代表ウィークでヘルニア手術を受けたヴィカーリオは、クラブの説明では「最小限の離脱期間」で済むはずだった。
しかし、5試合が経過した今も復帰の気配は薄い。それでもスパーズ側に焦りはない。理由は明確で、アントニン・キンスキーが完全に台頭したからだ。
リーズ戦の“奇跡のセーブ”が象徴するキンスキーの現在地
リーズ戦の後半アディショナルタイム、ショーン・ロングスタッフの決定的な一撃をキンスキーは信じられない反応で阻止した。
あの瞬間は、「マドリードの悪夢」を完全に払拭する象徴的なプレーとなった。
2か月前、アトレティコ戦でのミス連発により17分で交代させられた同じ選手とは思えない成長ぶりだ。
“キャリアを殺した”と言われた夜からの復活
当時、ピーター・シュマイケルは「17分での交代は彼のキャリアを殺した」と批判した。
しかしキンスキーは、その夜のプレーとウォームアップを徹底的に分析し、「変える必要はない」と結論づけた。
父と祖父もGKという家系の支えもあり、感情に流されず冷静に立て直したことが今のパフォーマンスにつながっている。
デゼルビ就任後、守備は劇的に改善
デゼルビ就任前の5試合で14失点していた守備は、就任後の5試合ではわずか5失点。
キンスキーはその中心におり、GKコーチのファビアン・オッテ、ディーン・ブリルとともに試合後40分のキック練習を続けている。
ヴィカーリオの去就が不透明——“1番手の座”が空く可能性
デゼルビは「ヴィカーリオが来季残るか分からない」と明言しており、イタリア復帰の噂も絶えない。
もし移籍となれば、キンスキーが正式に1番手へ昇格する可能性が現実味を帯びる。
今季のパフォーマンスは、その資格が十分にあることを示している。
記事解説
“序列逆転”は偶然ではなく、デゼルビ式GK像に合致した結果
キンスキーの台頭は、単なる好調ではなく、デゼルビが求めるGK像に合致した結果と言える。
デゼルビ式では、GKはビルドアップの起点であり、高ラインの裏を守る最後の砦でもある。
キンスキーはキック精度とパワーに優れ、試合後の追加練習を欠かさない姿勢がデゼルビの信頼を勝ち取っている。
ヴィカーリオの不在が“問題”ではなくなった構造的理由
本来なら守護神の長期離脱は致命傷だが、今のスパーズはむしろ「キンスキーがいるから大丈夫」という空気がある。
これは、ヴィカーリオの能力を否定するものではなく、キンスキーの成長がそれほど大きいという証拠だ。
夏のGK問題は“デゼルビ最大の決断”になる
ヴィカーリオを残すのか、キンスキーを1番手に据えるのか、あるいは新たなGKをキンスキーと競争させるのか。
どの選択肢にもメリットとリスクがあり、デゼルビのGK選択は来季の成績を左右すると言っていい。
投稿元:Roberto De Zerbi facing unexpected Tottenham dilemma as huge decision awaits

