レポート
“取扱注意付き”で来たデゼルビ——怒号・衝突・混乱のイメージ
ロベルト・デゼルビはトッテナム就任時、「扱いづらい」「衝突を起こす」「タッチラインで制御不能」という“取扱注意付き”のレッテルを貼られていた。
実際、マルセイユ時代にはカナダ代表監督ジェシー・マーシュから「本当にひどい奴だった」と公然と批判され、ブライトン時代にはオーナーのトニー・ブルームに噛みついたこともある。
スパーズ就任後も、タッチラインで跳ね回る姿は変わらず、リーズ戦でも主審ジャレッド・ジレットからイエローを受けた。
しかし、その“怒りの矛先”は今、選手ではなく自分自身に向いている。
テルのPK献上に“激怒ゼロ”——「大きなハグとキス」
リーズ戦でマティス・テルが痛恨のPKを献上した場面。過去のデゼルビなら激怒してもおかしくない。
だが試合後、彼が語ったのは真逆の言葉だった。
「大きなハグとキス。彼は若い才能で、経験不足のミスは受け入れる。」
これは、マルセイユ時代の“怒号”・ブライトン時代の“衝突”とは明らかに違う。
スパーズでは、若手を守り、チームをまとめる指揮官として振る舞っている。
VAR騒動にも冷静——「200%ファウル」
ウェストハムがアーセナル戦のVAR判定に激怒する中、デゼルビはこう言い切った。
「あれは200%ファウル。議論の余地はない。」
普段なら審判批判に走りがちなタイプだが、今回はむしろ“火消し役”に回った。
これは、残留争いの中でチームを不安定にしたくないという意図が透けて見える。
マディソン復帰に深い愛情——“精神的支柱”を大切に扱う姿勢
ACLから復帰したジェームズ・マディソンに対しても、デゼルビは深い愛情を示した。
試合後には、復帰を喜ぶ言葉・チームへの影響力を称賛・精神的支柱としての価値を強調と、非常に丁寧な扱いを見せた。
これは、選手との衝突が多かった過去のデゼルビ像とは大きく異なる。
キンスキーの復活を“正しく扱う”——GKマネジメントの成功例
アントニン・キンスキーは、ロングスタッフの至近距離弾を右手一本で弾き出す“今季屈指のセーブ”を披露。
デゼルビは彼の復活をこう評価した。
「強い人格を持つ選手。今日のような試合に値する。」
マドリードでの大失態から立ち直らせたのは、デゼルビのメンタルマネジメントの成果でもある。
“過去のデゼルビ”と“今のデゼルビ”のギャップが際立つ
記事は、「これは別人のようなデゼルビだ」と指摘する。
過去:
・衝突
・怒号
・クラブと対立
・短期間で退任
現在:
・若手を守る
・選手を称賛
・審判批判を抑える
・チームをまとめる
この変化は、「残留争いの中でチームを壊すわけにはいかない」という強い自覚の表れだ。
ただし“爆発の可能性”は残る——それでも今は“正しい方向”
記事は最後にこう警告する。
「デゼルビはいつか爆発するかもしれない。だが今は、チームをまとめることに集中している。」
残留争いは続き、ウェストハムが先に試合をするため、スパーズは常に“追われる側”になる。
その中で、デゼルビが冷静さを保てるかどうかが残留の鍵となる。
記事解説
デゼルビは“怒りの指揮官”から“守る指揮官”へ変貌している
この記事が示す最大のポイントは、デゼルビがスパーズで“別人のように変わっている”という点だ。
過去の彼は、選手と衝突・クラブと対立・審判に激怒・短期間で退任という“破壊的な指揮官”の側面が強かった。
しかし今は、テルを守る・マディソンを称賛・キンスキーを育てる・審判批判を抑える・ホーム不振を自分の責任と認めるという“守る指揮官”へ変貌している。
残留争いが“デゼルビを変えた”可能性
残留争いは、監督にとっても選手にとっても極限状態。
その中で、チームを壊す行動は許されないという強い自覚が、デゼルビの振る舞いを変えていると考えられる。
スパーズは“正しい方向”に進んでいるが、油断はできない
8ポイントを4試合で積み、残留圏を2ポイントリード。
しかし、ウェストハムが先に試合チェルシー(A)・エヴァートン(H)という厳しい日程が続く。
デゼルビが冷静さを保ち、チームをまとめ続けられるかどうかが、残留の決定的要因となる。
投稿元:Roberto De Zerbi came with a health warning but things feel different at Tottenham

