レポート
「どうして解任されたのか」——ポステコグルー解任に疑問
トッテナムのレジェンドであるテディ・シェリンガムは、アンジェ・ポステコグルー解任について「今でも理解できない」と語った。ポステコグルーは2025年6月に解任されたが、その直前にヨーロッパリーグを制覇していた。リーグ戦17位という成績が理由とされたが、シェリンガムは「トロフィーを取った監督をなぜ切ったのか」と疑問を呈している。
シェリンガムは「ポステコグルーは“2年以内に何かを勝ち取る”と言い、実際に勝った。なのに職を失った」と強調。さらに「スパーズは長い間タイトルから遠ざかっていたのに、彼が勝った瞬間に解任された」と、クラブの判断を不可解とした。
“3人の監督交代”がクラブを混乱させた
ポステコグルー解任後、スパーズはトーマス・フランクを招聘したが、リーグ戦8試合未勝利で解任。その後、イゴール・トゥドールが暫定指揮官として就任したが、プレミアリーグでわずか1ポイントしか獲得できず、7試合で退任した。
シェリンガムはトゥドールの就任について「プレミアリーグを知らない監督を連れてきた。あれは absurd(異常)な決断だった」と痛烈に批判。「誰が承認したのか分からないが、完全に間違いだった」と語り、クラブ上層部の判断ミスを強く指摘した。
「18か月間、クラブで起きていることは absurd(異常)」
シェリンガムは「この18か月で起きたことは absurd(異常)だ」と総括。監督交代の連続、戦術の迷走、クラブの方向性の欠如が、現在の降格危機を招いたと示唆した。
記事解説
“ポステコグルー解任”以上に、その後の“選手ケア”
シェリンガムが指摘した「ポステコグルー解任の不可解さ」は確かにクラブの迷走を象徴している。しかし、より深刻だったのは解任後の選手ケアとチーム管理が完全に崩壊したことだ。ポステコグルーは特にその選手のメンタルケアに長けており、チーム全体の精神的な“軸”を作っていた。だが、彼の退任後に就任したトーマス・フランクは、短期間のうちにその選手たちの精神的な“軸”を作り出すことができなかった。
フランクだけで難しければ、スポーツディレクターら上層部のポステコグルー時代から在籍する選手との信頼関係が築けている要人にもその役割を分担できただろうが、(在任中、選手とのつながりに関する情報は無かったが)スコット・マンはポステコグルーと共に退任し、選手との関係を「持ちすぎる」と揶揄されたダニエル・レヴィまでもが去ってしまった。そしておそらくヨハン・ランゲやヴィナイ・ヴェンカテシャムは、トーマス・フランクを過度に信頼しすぎたのだろう。
つまり、問題の本質は「ポステコグルーを切ったこと」ではなく、切った後に選手の精神的な“軸”を保つ仕組みが壊れてしまったことにある。「人と人との信頼の絆」とは、早期に代替可能なものではなく、ここはルイス・ファミリーが掲げる「組織の近代化」が完全に裏目に出てしまったのかもしれない。

