残留争いの極限状態で、デゼルビが選手たちに見せているのは“戦術動画”ではなく、彼ら自身の“全盛期の映像”だった。YouTubeとWyscoutを駆使し、選手の心を再起動させる異例のアプローチ。勝てない2026年を生き抜くため、指揮官は最後の手段に踏み切っている。
レポート
デゼルビがYouTubeで“選手の全盛期”を見せる理由
Football Londonのアラスデア・ゴールドによると、デゼルビは残留争いの極限状態にあるスパーズで、選手たちの自信とメンタルを立て直すために“過去のベストプレー映像”をYouTubeで見せるという異例のアプローチを採用している。2026年に入ってからリーグ戦未勝利のまま15試合を消化し、18位で降格圏に沈むチームは、ウルブス戦を含む残り5試合で勝ち点を積み上げなければならない。
デゼルビは「言葉だけでは届かない選手もいる」と語り、映像・言葉・ワインやビールを交えたコミュニケーションなど、あらゆる手段で選手の“頭と心”に働きかけている。彼は「選手の最大の武器はメンタルとハートだ」と強調し、過去の成功体験を視覚的に思い出させることで、プレッシャーで縮こまったプレーを解放しようとしている。
特にコロ・ムアニの右ウイング起用は、フランクフルト時代の映像分析が根拠であり、デゼルビは「YouTubeやWyscoutで最適解を探す。時間がないからこそ、選手の強みを最優先する」と語った。彼は“選手の欠点ではなく長所にフォーカスする”ことを徹底しており、今季わずか7勝のチームが抱えるネガティブな空気を断ち切るため、選手たちが本来持つクオリティを再認識させることに全力を注いでいる。
ウドギ、ヴィカーリオ、サールはウルブス戦欠場が確定し、クルゼフスキも復帰の見通しが立たない。マディソンは軽い痛みが残るためベンチスタートが濃厚で、主力の大量離脱が続く中、デゼルビは「彼はポジティブな存在で、ドレッシングルームに必要な人間だ」と語り、精神的支柱としての役割を期待している。
また、ロメロ離脱後に起用されたダンソは、ブライトン戦後に人種差別被害を受けたが、デゼルビは「彼は強い。問題ない」と断言し、揺るぎない信頼を示した。テルについては「何も悪くない。満足している」と評価しつつも、残り5試合で大幅なメンバー変更は避ける方針を明言。選手間の“連携の積み上げ”を優先し、固定メンバーで戦う姿勢を崩していない。
デゼルビは「過去を悔やむ時間はない。今から最後までに集中する」と語り、1勝が流れを変えると強調。ブライトン時代にチェルシー戦の大勝をきっかけに連勝した経験を引き合いに出し、スパーズでも同じ転換点を作れると信じている。選手たちが長い未勝利の重圧に苦しむ中、デゼルビは“心の再起動”を最優先に、残留への最後の戦いに挑んでいる。
記事解説
“映像で自信を取り戻させる”という異例の処方箋
この記事の核心は、デゼルビが戦術よりも“選手の心”を優先している点だ。15試合未勝利、主力の大量離脱、残留圏まで2ポイント差という極限状況では、戦術の上積みよりも「自分はできる」という感覚を取り戻す方が先になる。だからこそ、YouTubeで過去のプレーを見せるという異例のアプローチが採用されている。
これは単なるモチベーション動画ではなく、選手の“成功体験”を呼び起こす心理的介入だ。コロ・ムアニの右起用も、データではなく“映像で確認した事実”を重視している点が象徴的で、デゼルビの哲学がよく表れている。
一方で、ウドギ、ヴィカーリオ、サール、クルゼフスキ、ロメロと主力が次々に離脱し、戦術的な選択肢は極端に狭まっている。テルを使いたくても使えないのは、残り5試合で“固定メンバーの連携”を優先せざるを得ないからだ。つまり、デゼルビのYouTube戦術は、戦術的余裕がないからこそ生まれた“最後の武器”。選手の心を再起動させ、残留へのエネルギーを引き出すための心理戦だ。勝てば流れが変わる。負ければ崩壊する。ウルブス戦は、デゼルビの“心の再構築プロジェクト”の成否が問われる一戦になる。
記事ソース
情報元:Roberto De Zerbi discusses special way he is using YouTube to get the best out of Tottenham stars
Quiz Cockerel
デゼルビがYouTubeを使う主な目的として最も近いのはどれか?
1. 相手チームの分析
2. 選手の過去の成功体験を呼び起こすため
3. 新戦術の説明動画を作るため
4. 若手育成の教材作成のため
正解:2
記事では、選手の“自信”を取り戻すために過去のベストプレーを見せていると説明されていた。

