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【財政】「レヴィ批判は出鱈目だ」。専門家マグワイアがCEOヴェンカテシャムの「保身」を断罪

【財政】「レヴィ批判は出鱈目だ」。専門家マグワイアがCEOヴェンカテシャムの「保身」を断罪

プレミアリーグ残留を懸けた瀬戸際に立たされているトッテナムにおいて、経営陣の対立が表面化している。CEOのヴィナイ・ヴェンカテシャムは、現在の機能不全を前会長のダニエル・レヴィによる「ピッチ上の成功への焦点不足」であると批判したが、この主張に対し、フットボール財政の権威キーラン・マグワイアが真っ向から反論した。

✔ 専門家マグワイア、ヴェンカテシャムによるレヴィ批判を「典型的な企業人の振る舞い」と一蹴
✔ レヴィ体制下でのインフラ投資額や選手・給与への多額の支出実績を提示し、CEOの主張を論破
✔ 「PSRで今夏は補強できない」との主張は出鱈目。冬の市場での無策やスポンサー交渉の遅れを危惧

レポート

「ゴミ」と断じられたCEOの内部レビュー

ポッドキャスト番組『Price of Football』に出演したキーラン・マグワイアは、ヴェンカテシャムCEOがファン・アドバイザリー・ボードとの会合でレヴィ前体制を批判したことに対し、激しい言葉で疑義を呈した。ヴェンカテシャムは「レヴィ時代はピッチ上の成功への焦点が不足していた」と主張したが、マグワイアは「レヴィの下でのスパーズは、ビッグ6の他のクラブほどではないにせよ、選手や給与に多額の資金を投じてきた」と事実を指摘。ヴェンカテシャムが自身を「毒を盛られた遺産の継承者」として描こうとする姿勢を「典型的な企業人の振る舞い」であると批判した。

スパーズは現在、世界のフットボール収益ランキングで9位に位置しており、2023-24シーズンには5億2800万ポンドという過去最高の収益を記録している。これら全ての成果は、ヴェンカテシャムが就任する前のレヴィ体制によって築かれたものだ。

財務データが暴く「PSR」の真実

マグワイアはさらに具体的な数字を挙げ、ヴェンカテシャムの主張を論理的に解体した。

「スパーズは年間7000万ポンドのインフラ費用を計上している。PSR(利益と持続可能性に関する規則)の計算は3年周期で行われるため、スタジアム費用として2億1000万ポンドを差し戻すことが可能だ。さらにアカデミー運営費の1500万から2000万ポンドも加味される。これほどの余裕がありながら、今夏の補強ができないと語るのは完全な出鱈目だ」

マグワイアは、ジョー・ルイス(ルイス・ファミリー)がトーマス・フランクのために用意していたとされる1億5000万ポンドの軍資金があったにもかかわらず、1月の市場で補強を行わなかった現体制の矛盾を指摘。また、AIAに代わる新しいユニフォーム・スポンサーの確保に失敗すれば、最大2500万ポンドの損失を招くリスクがあると警告し、ヴェンカテシャムに必要なのは過去の批判ではなく、未来への「行動」であると強調した。

記事解説

企業論理の罠:沈没を招く「新体制」の不誠実

今回マグワイアが放った「ゴミだ」という言葉は、現在のトッテナムが抱える構造的な自壊を最も正確に言い当てている。ヴェンカテシャムが進める近代化という名の組織解体において、最も懸念されるのは、降格という世代間の脅威を「自分たちの責任ではない」と定義し直そうとする企業論理の介入だ。マグワイアが指摘した通り、レヴィが築き上げた5億2800万ポンドという収益基盤と、PSR計算において有利に働くインフラ投資の実績は、現体制にとって最大の「盾」となるはずのものだった。しかし、ヴェンカテシャムはそれを「負の遺産」と呼び変え、補強できない理由としてPSRを隠れ蓑に利用している。

一方で、このヴェンカテシャムによるレヴィ批判を報じた『The Telegraph』マット・ロウ記者の情報源そのものには、一層根深い疑念を抱かざるを得ない。このリークに基づいた報道は、本来であれば現体制への批判をかわす目的で流されたはずだが、結果として沈黙を守る以上に現体制への不信感を煽る内容になっているからだ。特に決定的な矛盾を孕んでいるのが、スポーツディレクターとしてヴェンカテシャムと共に冬の市場で意思決定を主導したはずのヨハン・ランゲの発言である。ランゲは冬の閉幕後、資金不足には一切触れず、その場しのぎの補強を避け、夏に中長期的な構想に基づいた強化を行うという趣旨の説明を繰り返していた。それにもかかわらず、今回CEO自らがPSRを理由に夏の予算制限を示唆したことは、フロント内部の不協和音を露呈させただけでなく、ランゲが掲げた夏の本格強化というロードマップ自体がファンを欺くための砂上の楼閣であった可能性を突きつけている。

なお、『The Telegraph』は、後日、サム・ウォレス記者の執筆によるダニエル・レヴィを擁護する記事を掲載している。この一連の騒動で現体制への不信感と旧体制の正当性が際立つ結果となり、トゥドール解任を巡る動揺に乗じて現体制への批判を煽るメディアの扇動とも考えられる。いずれにせよ、夏には新監督を迎え、スカッドの刷新も必須となる。そこにルイス・ファミリーや経営陣からのサポートがあるかに、大きな注目が集まることになる。

情報元:Vinai Venkatesham proves ‘classic corporate behaviour’ in criticism of Daniel Levy at Tottenham

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スパーズの財政基盤と専門家の分析

今回のレポートにおいて、キーラン・マグワイアがヴェンカテシャムCEOの「PSRを理由に今夏は多額の支出ができない」という主張を「出鱈目」と断じた根拠はどれか?

1. UEFAがトッテナムに特別枠を与えたため
2. 3年間のスタジアム費用2億1000万ポンドなどを計算に加算できるため
3. レヴィ前会長が秘密の隠し口座を残していたため
4. プレミアリーグのルールが今夏から大幅に緩和されるため

正解:2

正解は「スタジアム費用などを計算に加算できるため」だ。マグワイアは、年間7000万ポンドに及ぶインフラ費用やアカデミー運営費はPSRの制限から除外・加算できるため、財務的な余裕は十分にあると分析。現体制が補強できない理由をルールに押し付けるのは、責任回避のための虚偽であると痛烈に批判した。