トッテナムの攻撃の要、デヤン・クルゼフスキの不在が二桁の月数に達した。スウェーデン代表を率いるグラハム・ポッターは、今月行われるワールドカップ・プレーオフに向けたスカッドからクルゼフスキを除外したことを発表。2025年5月の負傷以来、一度もピッチに立てていない25歳のアタッカーについて、期待されたほど回復が進んでいない現状を明かした。残留争いの火蓋が切って落とされる中、昨季のヨーロッパリーグ制覇の立役者であるエースの帰還は、依然として霧の中に包まれている。
レポート
「代表落選」という残酷なアセスメント
『football.london』によると、スウェーデン代表のグラハム・ポッターは、3月26日のウクライナ戦に向けた26名のスカッドにクルゼフスキを含めなかった。かつてチェルシーやウェストハムを率いたポッターは、会見において「デヤンは進歩を見せているが、我々が望んでいたほど速いスピードではない」と言及。先月には3月の代表ウィークでの復帰は「厳しい」との見通しを語っていたが、最終的にプレーオフという大一番を前にしても、コンディションが実戦レベルに達していないことを公式に認めた格好だ。
スウェーデンはウクライナとの準決勝に勝利すれば、その5日後にポーランドまたはアルバニアとの決勝に臨むことになるが、そこにエースの姿はない。
「2025年内の復帰」さえも叶わなかった現実
クルゼフスキが最後にスパーズのスカッドとしてプレーしたのは、2025年5月のクリスタルパレス戦(2-0で敗北)まで遡る。膝を負傷して手術を受けた際、当時の指揮官アンジェ・ポステコグルーは「少なくとも数ヶ月の離脱」と述べていた。その後、8月の時点では「2025年末までの復帰」が予測されており、2000年生まれのスター本人も「リハビリは順調であり、非常に近い将来に戻れる」と語っていたが、現実はその予測を大きく裏切る形となった。彼は今シーズン、いまだ1分もフットボールをプレーできていない。
トッテナムが苦しむ現状において、昨季50試合で10ゴール11アシストを記録し、欧州の舞台での成功を支えたクルゼフスキの不在は、物理的な戦力低下以上に組織のキャラクターを欠落させている。
記事解説
エース不在の「代償」:沈没寸前のボートが失った推進力
クルゼフスキが10ヶ月もの間、ドレッシングルームから離れているという事実は、現在のトッテナムが抱える「構造的自壊」の主因の一つだ。昨シーズン、彼が右サイドから供給したクリエイティビティこそがスカッドの生命線であり、ヨーロッパリーグ優勝という栄冠をもたらす燃料であった。しかし、今季のプレミアリーグで16位に沈み、降格圏のノッティンガム・フォレストやウェストハムとわずか勝ち点1差という崖っぷちに立たされている現状において、彼という「違いを作れる個」の欠如は致命的だ。
ポッターが指摘した「回復の停滞」は、残留争いの真っ只中にあるスパーズにとって、もはや奇跡を信じることすら許されないほどの打撃だ。日曜日に控えるフォレストとの「マストウィン」の戦い。これらの難局を、攻撃の核を欠いたまま乗り越えなければならない現実は、トゥドール体制にとっても残酷な試練と言える。ポステコグルーが遺した「自分たちが何者であるか」という問いに対し、本来であればクルゼフスキがピッチ上で回答を出すはずであった。
代表ウィーク明けの4月、残留を懸けた8つの「最終決戦」が本格化する中で、クルゼフスキの復帰時期が不透明であることは、来季のカテゴリー次第でスカッドが解体されるリスクをさらに高めている。2部降格という「世代間の脅威」を前に、エースの帰還という希望の灯火が消えかけている今、残された漕ぎ手たちに求められるのは、彼がかつて見せたような執念のインテンシティだけだ。クルゼフスキという魔法を失ったボートは、今、自らの力だけで激流を切り拓く覚悟を問われている。
情報元:Tottenham get Dejan Kulusevski injury update as Premier League relegation fight hots up
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エースが負傷した運命の日
今回のレポートにおいて、クルゼフスキが最後にトッテナムで出場した試合の対戦相手はどこか?
1. アーセナル
2. フラム
3. クリスタルパレス
4. リバプール
正解:3
正解はクリスタルパレスだ。2025年5月の同戦で膝を負傷して以来、クルゼフスキは公式戦のピッチから遠ざかっており、離脱期間は10ヶ月を超えている。代表監督のポッターによって回復の停滞が明言されたことで、今季中の復帰に対しても慎重な見方が強まっている。

