【エンバゴ】トゥドールが説く「兵士の覚悟」。過酷な走力トレーニングとコロ・ムアニへの期待

金曜深夜に情報が解禁された、記者会見の後半部分(エンバゴ:メディア向けの情報解禁時間指定)のレポートだ。暫定ヘッドコーチのイゴール・トゥドールが、日曜日のフラム戦を前に、残留争いに立ち向かうスカッドへの「真の要求」を語った。指揮官は、現在の苦境を脱するためには選手たちが「嫌がることも厭わない兵士」になる必要があると断じ、ドレッシングルームに新たな規律とインテンシティを持ち込んでいる。

POINT

金曜深夜に解禁された記者会見後半のコメントを網羅。 指揮官の本音がより鮮明に
「今は兵士が必要だ」と語り、残留争いに向けたメンタリティの改革を要求
「エンジンにガソリンを注ぐ」べく、ボールを使わない過酷な走り込みを導入した意図

レポート

「消防士」トゥドールが求める兵士の資質

イゴール・トゥドールはこれまで、ユベントス、ラツィオ、マルセイユといった名門クラブで、妥協のないアプローチによってチームを立て直してきた。現在、プレミアリーグ16位に沈み、降格圏までわずか4ポイント差という危機的状況にあるトッテナムにおいても、その「フットボール界の消防士」としての手腕が期待されている。

エンバゴが解禁された会見後半、この戦争を戦い抜くための「兵士」が揃っているかと問われた指揮官は、「そう願っているし、そう信じている」と答えた。「誰が真の兵士か」という問いには、現役時代のセンターバックらしい不敵な笑みを浮かべ、「シーズンが終わった時に教えてやるよ!」と返した。

「ダービーでの戦いは、今の世界最高のチームの一つを相手にしたものであり、我々が兵士であるかどうかを判断する現実的な基準にはならない。しかし、試合の一部ではその片鱗を見せた。守備面を中心に課題は多いが、次の数試合で答えが出るだろう。我々は戦う集団でなければならない」

「エンジンにガソリンを」走力への徹底したこだわり

トゥドールが直面している最大の課題の一つは、スカッドの極端な疲労だ。相次ぐ負傷者により、特定の選手が酷使され、チーム全体のコンディションが低下している。指揮官は今週、ミッドウィークの試合がない貴重な時間を「エンジンにガソリン(※燃料)を注ぎ込む」ための期間に充てた。

「今の我々は、フィジカル面で素晴らしい状態とは言えない。高い位置からプレスをかけるにはフィットネスが必要だが、誰か一人が遅れればシステム全体が崩壊する。だからこそ、今は走るしかない。ピッチは100ヤードもあり、非常に長いのだ。走る習慣、あるいは少し手を抜く習慣を打破しなければならない。選手たちが嫌がるボールなしの走り込みをメニューに加えた。幸い、選手たちはこの必要性を理解し、前向きに取り組んでくれている」

さらに、守備への献身性についても厳しく言及した。

「前へ走るのは簡単だが、戻らなければならない。走って上がっても戻らなければ、それは大きな問題だ。今は誰が何を嫌がるかを考えている時間はない」

「大人の男」への成長とコロ・ムアニへの信頼

トゥドールは、現在の苦境を若手選手が「大人の男」へと脱皮するためのチャンスだと捉えている。 「若手選手が多くの問題を解決しなければならない状況だが、これは急速に成長し、男(man)になるための挑戦だ。ただそこにいて『僕はここにいるだけだ』と言うのではなく、『さあ、僕にボールをくれ、僕が決めてやる』『僕がこのボックスを守り抜く。泣き言は言わない』と言えるようになるべきだ。ポジティブな人間であれば、この状況をチャンスと見るはずだ」

アーセナル戦については、選手の自信を損なわないよう「見せるべきいくつかのポイントに絞り、多すぎない程度の映像」を見せて振り返ったという。その中で唯一の収穫として挙げたのが、かつてユベントスのコーチ時代に指導したコロ・ムアニだ。 「彼が活躍したのは良いことだ。唯一の救いと言ってもいい。スタイル、自信、あるいはタイミングなど、選手が特定の監督の下で輝く理由は様々だ。彼はスパーズを窮地から救うゴールを決めてくれると信じている。彼がゴールを決め続けることを心から願っている」

背景・ソース

今回のレポートは、football.londonのアラスデア・ゴールド記者による最新の練習レポートおよび記者会見のエンバゴ(情報解禁制限)解除内容に基づいている。

トゥドールは自身の代名詞である「妥協なき規律」を注入することで、負傷禍に喘ぐチームの解体と再構築を同時に進めようとしている。特に、ユベントス時代から師弟関係にあるコロ・ムアニの活用法が、今後の残留争いの行方を大きく左右することになりそうだ。

参照元:Igor Tudor believes Tottenham players will need to do something they won’t like

Quiz Cockerel

フットボール常識
イゴール・トゥドールが選手たちに「早く成長してこうなるべきだ」と語り、責任感と闘争心を持つことを求めた言葉の対象は何か?

1.プロフェッショナル
2. 大人の男
3. 熟練の騎士
4. 冷徹な殺し屋

    正解:2
    トゥドールは「早く成長し、男(man)になること」の重要性を説いた。プレッシャーがかかる場面で「僕が解決してやる」と責任を引き受け、困難に立ち向かう精神的な自立こそが、現在の若いスカッドに最も欠けている要素であると考えている。

    スパーズジャパンの考察

    1. ハイプレス再始動のための「肉体改造」

    トゥドールがボールを使わない走り込みを断行したことは、彼の目指すハイプレス・スタイルがいかにフィジカルの強度に依存しているかを物語っている。多額の投資をしたスカッドの価値を維持するためには、プレミアリーグ残留が絶対条件だ。戦術の浸透に時間をかける余裕がない中、まずは「走れる体」を強制的に作り上げるという消防士的なアプローチは、合理的かつ冷徹な判断と言える。

    2. 「言い訳無用」の戦いへの期待

    「選手が好まないトレーニング」を公言するトゥドールの姿勢は、昨今の甘い空気に嫌気がさしていたファンにとって、ある種の清涼剤となるだろう。ダービーの惨敗を受け、サポーターは「戦わない選手」への不満を募らせていた。指揮官が求める「兵士」としての姿をピッチ上で体現できれば、冷え切ったスタジアムの熱量は一気に回復するはずだ。

    3. コロ・ムアニと「師弟の絆」がもたらす化学反応

    トゥドールの笑みは、コロ・ムアニへの絶対的な信頼の証だ。これまでの監督たちが引き出せなかった彼のポテンシャルを、かつての恩師が再び開花させようとしている。ソランケとの2トップ、あるいは自由な役割を与えることで、彼が残留争いの救世主となるシナリオは十分にあり得る。かつてイタリアの地で育まれた師弟の絆が、ノースロンドンの空の下で奇跡を起こすことを期待したい。