暫定ヘッドコーチとしてノースロンドン・ダービーで初陣を飾ったイゴール・トゥドールだが、結果は4-1の完敗に終わった。しかし、降格圏への転落を阻止すべく戦う指揮官に、ようやくポジティブなニュースが届いた。主力のペドロ・ポロとケヴィン・ダンソがトレーニングに復帰し、スクランブル態勢だったスカッドに本来の秩序を取り戻すチャンスが訪れている。
レポート
異常事態下でのダービー敗戦
イゴール・トゥドールは就任以来、これまで率いた5つのクラブすべてで初陣を勝利で飾ってきた。しかし、トッテナムでのデビュー戦はあまりに過酷なものとなった。首位を走るアーセナルとのノースロンドン・ダービーにおいて、ハーフタイムまでは同点で踏みとどまったものの、最終的には1-4と屈した。この敗戦の背景には、戦術的な課題以上にドレッシングルームを襲っている深刻な負傷禍があった。
指揮官は「10人プラス3人のフィールドプレーヤーしか使えないという、これまでに経験したことのない異常な状況だ」と現状を吐露した。これまでは、中盤の要であるジョアン・パリーニャをセンターバックに、アーチー・グレイを右ウィングバックに配置せざるを得ないなど、本来の力を発揮できる布陣とは程遠い状態だった。この異常事態が、チームのパフォーマンスに影を落としていたことは疑いようがない。
守備陣の復帰がもたらす連鎖反応
今週水曜日、練習場であるホットスパー・ウェイにペドロ・ポロとケヴィン・ダンソの姿があったことは、我々にとって最大の補強に等しい。トゥドールはこれまで、守備陣の欠員を埋めるための急場しのぎを強いられてきたが、彼らの復帰は単なる枚数の確保以上の意味を持つ。
ポロとダンソがピッチに戻れば、パリーニャとグレイを本来の主戦場である中盤の底に配置できる。これにより、トゥドールが理想とする3バック・システムの強度は劇的に向上する。特にパリーニャが中盤のフィルター役として機能することで、ファンデフェンやドラグシンの負担も大幅に軽減されるだろう。グレイもまた、中盤でより高いインテンシティを供給できるはずだ。この配置転換こそが、現在の苦境を脱するための現実的な解決策となる。
3-4-1-2への移行と攻撃陣の活性化
右サイドのポロは、正確なクロスと対角線へのロングフィードで攻撃に彩りを与える。彼の復帰により、我々は従来の3-4-2-1から、より攻撃的な「3-4-1-2」へのシフトを検討している。この形では、前線にドミニク・ソランケと、かつてユベントス時代にトゥドールの指導下で輝いたコロ・ムアニを並べることが可能になる。
さらに、怪我から戻ったリシャルリソンも選択肢に加わり、得点力不足に悩むスカッドの大きな力となることが期待される。サイドからの供給源が確保され、中盤の厚みが増すことで、前線のストライカーたちが孤立する場面は減少するだろう。フラム戦、そしてクリスタル・パレス戦を控え、トゥドール体制は真の意味でのリスタートを切ろうとしている。
背景・ソース
今回の情報は、football.londonのアラスデア・ゴールド記者による最新のレポートに基づいている。ゴールド記者は、トゥドールが抱える「13人しかいない」という危機的な台密状況を詳細に伝えており、負傷陣の復帰がスカッドの戦術的柔軟性にどれほど寄与するかを強調した。
参照元:The Tottenham team Igor Tudor will be desperate to select after double injury boost
スパーズジャパンの考察
1. 戦術:パリーニャの中盤復帰こそが守備安定の鍵
ダンソの復帰によりパリーニャをアンカーの位置に戻せるメリットは計り知れない。今のスカッドで最も守備能力が高い選手を最終ラインに固定せざるを得ない現状が、中盤のフィルター機能を麻痺させている。彼が中盤に戻ることで、相手のカウンターを未然に防ぎ、ファンデフェンらのスピードをより効果的に活かせるようになる。
2. ファン感情:不自然な配置へのフラストレーション
現地ファンの反応を見れば、ドラグシンやスペンスへの評価は極めて厳しい。「右利きの左ウィングバック」という不自然な配置もそうだが、キープ力を過信し危険なエリアでボールを奪われる場面への不満は限界に近い。たとえ実力が未知数であっても、本職のサイドバックであるソウザを起用すべきだという切実な声は、現場の切迫感を物語っている。
3. 起用法:コロ・ムアニ再生への「師弟の絆」
注目したいのはコロ・ムアニの起用法だ。彼はトゥドールの戦術を熟知しており、指揮官からの信頼も厚い。ソランケという絶対的な軸がいる中で、2トップを形成するのか、あるいはシャドーで自由に動かすのか。かつてユベントスで才能を認められた師弟関係が、スパーズの得点力不足を解消する最大の武器になる可能性がある。
