トッテナムの選手がプレミアリーグでの初ゴールをフラム相手に決めた例は7名にのぼり、そのうち6名がクレイヴン・コテージで記録している。
実のところ、フラム戦でのプレミアリーグ初ゴールをN17(ホワイトハート・レーンまたはトッテナム・ホットスパー・スタジアム)で決めた選手は一人もいない。ルーカスのプレミアリーグ初得点は、2018年8月から2019年4月まで暫定的なホームとしていたウェンブリーでのフラム戦だった。
フラムは1968年以来となるトップディビジョン昇格を2001-02シーズンに果たした。その6シーズン後、パスカル・シンボンダが2007年1月20日に1-1の引き分けたクレイヴン・コテージでの試合において、スパーズでのプレミアリーグ通算3得点のうちの最初の1点を記録した。
その後、間を置かずにギャレス・ベイルとユネス・カブールが続き、さらにフレイザー・キャンベルが自身にとってのプレミアリーグ初ゴールを決め、その後、ベイルとカブール同様に一試合でヴラド・キリケシュとルイス・ホルトビーの2人がが初ゴールを記録した。そして今のところ最後となるのがルーカスで、2018年8月に3-1の勝利となったウェンブリーで行われた試合において、スパーズでのプレミアリーグ初得点をマークした。
日曜日のクレイヴン・コテージ遠征を前に、これら7つの初ゴールを振り返る。
パスカル・シンボンダ(2007年1月20日:フラム 1-1 スパーズ)
ポール・ロビンソンが至近距離からのヘイダル・ヘルグソンやブライアン・マクブライドのシュートを阻み、我々をこの試合に留めるためにあらゆる手を尽くした。ホームチームのプレッシャーを凌ぎ、53分にはヘルグソンが二枚目のイエローカードで退場し、試合は我々スパーズに傾いたかに見えた。しかし、84分にヴィンチェンツォ・モンテッラにPKを決められ、フラムに先制を許してしまう。それでも諦めずに攻め続けた結果、88分にシンボンダが近距離から押し込み、貴重な勝ち点1を持ち帰った。2006年から2009年まで在籍した人気のフランス人サイドバックは、通算103試合に出場している。

ギャレス・ベイル、ユネス・カブール(2007年9月1日:フラム 3-3 スパーズ)
ギャレス・ベイルがリリーホワイツで決めた最初のゴールであり、一つの時代の幕開けとして記憶される一戦だ。ロビー・キーンのパスに抜け出した当時18歳のウェールズ人スターによる、トレードマークとも言える冷静なフィニッシュだった。ベイルのコーナーキックのこぼれ球を押し込んだカブールのプレミアリーグ初得点と、ディミタール・ベルバトフのゴールにより、60分時点で3-1とリードしていた。しかし、オウンゴールとディオマンシ・カマラの同点弾により3-3のドローに終わった。ベイルは二度の在籍期間で237試合に出場し71ゴールを記録。カブールは2014年に主将を任されるなど、同じく二度の在籍で140試合に出場した。

フレイザー・キャンベル(2008年11月15日:フラム 2-1 スパーズ)
ハリー・レドナップ政権での初黒星となった試合だが、キャンベルにとっては特別な午後となった。当時21歳の若きストライカーは、ロイ・ホジソン率いるフラムを相手に、自身のプレミアリーグ初ゴールであり、スパーズでの唯一のリーグ戦でのゴールを記録した。元スパーズのサイモン・デイヴィスのゴールなどで0-2の劣勢だったが、81分にジャーメイン・ジーナスのクロスを沈めて一矢報いた。マンチェスター・ユナイテッドからのローン移籍中だった彼は、その3日前のリーグカップ、リバプール戦(4-2)で2ゴールを挙げるなど、この時期に3ゴールを記録した。
ヴラド・キリケシュ、ルイス・ホルトビー(2013年12月4日:フラム 1-2 スパーズ)
勝利に値する二つの素晴らしいゴールが、クレイヴン・コテージでの一戦を逆転劇に変えた。一進一退の攻防が続く中、56分に当時フラムのベルバトフのお膳立てからアシュカン・デジャガに先制を許した。しかし、コーナーキックのこぼれ球をセンターバックのキリケシュが35ヤードの距離からクリーンなハーフボレーで叩き込み、同点に追いつく。さらに残り8分、ホルトビーが25ヤードからトップコーナーへ突き刺す圧巻のシュートを決め、アウェイスタンドを熱狂の渦に巻き込んだ。ホルトビーは42試合で3ゴール、キリケシュは43試合で2ゴールを記録している。
ルーカス(2018年8月18日:スパーズ 3-1 フラム)
プレミアリーグでのウェンブリーの初の試合は、ワールドカップ準決勝進出に沸くイングランドの熱気の中で行われた。2018年1月に加入したブラジル人スター、ルーカスにとって、美しい弧を描くトップコーナーへの先制弾はスパーズでのプレミアリーグ初ゴールとなった。後半開始直後にアレクサンダル・ミトロヴィッチに同点とされるが、キーラン・トリッピアーのフリーキックで勝ち越し、ハリー・ケインが勝利を決定づけた。ルーカスは2019年5月、アヤックス戦でのハットトリックで我々をCL決勝へと導く伝説を創り、221試合38ゴールという記録を残して2022-23シーズン終了後に退団した。
背景・ソース
この記事は、日曜日に予定されているフラム戦に向けたプレマッチ統計としてトッテナム・ホットスパー公式サイトが掲載したものである。フラムの本拠地クレイヴン・コテージが、スパーズの選手にとってリーグ初ゴールを記録しやすい「縁起の良い場所」であることを、過去のレジェンドたちの活躍を通じて振り返っている。
スパーズジャパンの考察
1. 歴史的「聖地」が新戦力に与える心理的優位
公式サイトがこのタイミングで「初ゴールの歴史」を紐解いた意図は、現在の苦境にあるスカッドへの鼓舞だろう。特に今季加入した選手や、まだリーグ戦で得点のない有望株にとって、フラム戦は「飛躍のきっかけ」となりやすい心理的土壌がある。イゴール・トゥドールの下、攻撃的な役割を期待されるアーチー・グレイやキャラガー、あるいは前線で苦戦するソランケがこの「フラム・ジンクス」に続き、負の連鎖を断ち切ることが期待される。
2. ファン感情:ノスタルジーと現状への焦燥感
ギャレス・ベイルやルーカスの名前は、サポーターに黄金時代の記憶を呼び起こす。特にウェンブリー時代のルーカスや、クレイヴン・コテージで伝説の始まりを告げたベイルの記憶は、現在の降格圏付近で喘ぐチーム状況と比較して、ファンに深い郷愁と同時に焦りを感じさせる。しかし、過去に多くの選手がこの地で初ゴールを決め、クラブの歴史を創ってきた事実は、絶望的なムードを払拭する一助となるはずだ。
3. 次の「初ゴール」は誰か?
現在のスカッドを見渡せば、プレミアリーグ初ゴールを待つ才能は多い。特にイゴール・トゥドールが重用を示唆している若手たちにとって、この歴史的データは吉兆だ。かつてセンターバックのキリケシュが35ヤード弾を叩き込んだように、現在の守備陣からも驚きの得点者が生まれるかもしれない。クレイヴン・コテージの狭いピッチは、混戦からの「初弾」を生む舞台として、日曜日に再び誰かをヒーローに選ぶだろう。
