トッテナム・ホットスパーとアーセナルの両クラブは、UEFAチャンピオンズリーグの新フォーマット導入に伴う、極めて著しく困難な日程調整の問題に直面している。プレミアリーグの変更要請をUEFAが拒否したことで、サポーターの遠征計画や試合運営に多大なる混乱が生じている。
レポート:新フォーマットと地方自治体規制の衝突
トッテナムとアーセナルのプレミアリーグ、およびチャンピオンズリーグの日程が、かつてないほどの混乱(カオス)を招いている。この問題の背景には、CLの規模拡大に伴う新ルールの適用と、ノースロンドン特有の運営規制がある。
今シーズンのCLにおいて、トッテナムとアーセナルの両クラブはリーグフェーズでトップ8入りを果たした。これにより両者は、3月に行われるラウンド16の第2戦をホーム・スタジアムで戦う権利を手にしている。しかし、これが運営上の「悪夢」の始まりとなった。ノースロンドンの地方自治体には「トッテナムとアーセナルが同日にホーム試合を行わない」という長年の確固たる政策が存在する。そのため、UEFAは両クラブのホームゲームを火曜日と水曜日に分散して割り振らなければならない。
プレミアリーグは、2026年1月21日の時点で「フィクスチャ・アメンドメント14(日程修正14)」を確認し、3月15日(日)に試合が組まれているクラブは、中1日での3月17日(火)のCLの試合には出場できないことをUEFAに通知していた。しかし、UEFAは2月27日の抽選を前に、スケジュールの保証を一切提供しなかった。
トッテナムの3月15日(日)のリヴァプール戦は現時点で変更の対象となっていない。一方で、アーセナルは同日にエバートン戦が組まれていたが、CLを火曜日に戦わざるを得ない制約があるため、エバートン戦を3月14日(土)へ前倒しすることが確実視されている。UEFAが3月19日(木)のCL開催を断固として拒否していることも、日程の選択肢を狭める多大なる要因だ。
この「日程の悪夢」により、エバートン戦まで3週間を切った段階でサポーターは旅程の再調整を強いられており、両チームの決勝トーナメント進出という快挙が、皮肉にもファンベースに対する著しい利便性の低下を招いている格好だ。
背景・ソース
本記事のソースは、2026年2月24日に公開された『football.london』の最新レポートだ。レポートは、CLの新フォーマットがもたらす弊害が、クラブやリーグの枠を超えて地方自治体の政策にまで波及している現状を詳報している。
背景には、UEFAが商業的利益を優先して試合数を増やした一方で、国内リーグや各地域の警察・自治体との連携を軽視しているという不満が、プレミアリーグ関係者の間に広がっている事実がある。
特に「1つの地域で1日に1つのホームゲーム」という警備上の原則は、ロンドンのような過密都市においては絶対的なものだ。トッテナムがリーグフェーズを4位で通過し、決勝トーナメント進出の「特権」を得たことが、図らずもノースロンドン全体の日程パズルを解くための、著しく困難な変数を生み出してしまった格好だ。
UEFAが強固な姿勢を崩さないなか、トッテナムの経営陣は、欧州での躍進を維持しつつ、ファンの多大なフラストレーションを和らげるための迅速な解決策を模索している。
参照元: Arsenal and Tottenham fixture nightmare explained as UEFA reject Premier League request
スパーズジャパンの考察
1. リーグ「トップ8」が招いた贅沢な呪縛
CLのリーグフェーズ・トップ8入りは、クラブの格を示す多大なる成功だが、今回の「フィクスチャ・ナイトメア」は、拡大し続けるフットボールカレンダーの限界を露呈させた。トッテナムがシードの特権(第2戦をホームで戦う権利)を行使することが、結果としてサポーターに物理的な移動コストを強いるという矛盾は、今後の大会運営における大きな課題となるだろう。
2. 自治体規制を巡るノースロンドンの不条理
「同じ日にホームで試合をしない」というルールは、本来ファンの安全を守るためのものだが、現代の欧州戦の過密日程下では、クラブの収益機会や選手のリカバリー期間を制限する足枷(あしかせ)ともなっている。UEFAが頑なに火・水の枠組みに固執し、木曜日開催を拒否したことは、地方自治体の負担を考慮しない一方的なガバナンスであると言わざるを得ない。
3. 「運営上のカオス」がもたらすブランドリスク
試合まで1ヶ月を切った段階で日程が確定しない現状は、世界中からファンを呼び込むグローバルクラブとしての信頼を損なう多大なリスクを孕んでいる。プレミアリーグとUEFAの間のコミュニケーション不全が、最終的にサポーターという「最も大切な資産」に不利益を与えている現状に対し、クラブにはリーグ側と連携した、より強力なロビー活動という名の解決策が必要になるのではないかと推測される。
クイズ(Quiz Cockerel)
ジャンル:運営・日程 今回のレポートにおいて、トッテナムとアーセナルの両クラブがCLラウンド16の第2戦を共にホームで開催できるようになった「直接的な要因」は何でしょうか?
1. 両者がロンドンを本拠地にしているから
2. 両者がCLリーグフェーズでトップ8に入ったから
3. プレミアリーグが追加の開催費用を支払ったから
4. 抽選でラッキーな組み合わせを引いたから
解説: 正解は「2. 両者がCLリーグフェーズでトップ8に入ったから」だ。新フォーマットでは、上位8チームが第2戦をホームで戦う権利を保証されており、これがノースロンドンの自治体規制と衝突し、日程の混乱(カオス)を招くこととなったのである。
