【分析】ダービー1-4完敗、トゥドール初陣で得た「3つの教訓」。コロ・ムアニの復活と、崩壊を招いた守備陣の空白

トッテナム・ホットスパーは日曜日のノースロンドン・ダービーにおいて、宿敵アーセナルに1-4で完敗を喫した。11月の対戦時と同じ屈辱的なスコアラインが繰り返され、イゴール・トゥドール暫定監督のイングランドでの初陣は苦い幕開けとなった。エベレチ・エゼとヴィクトル・ギェケレシュにそれぞれ2ゴールを許し、スパーズは依然としてプレミアリーグ16位に沈んでいる。

レポート:新体制が直面した「3つの現実」

トッテナムの救世主として招聘されたイゴール・トゥドールの初仕事は、かつてのホームでの歴史的大敗(1978年以来)を想起させるような、極めて厳しいものとなった。現地メディア『Evening Standard』は、この惨敗から導き出された3つの重要な論点を挙げている。

1. 苦渋の船出と2026年の停滞

今週、トゥドールが語った「自信」と「仕事への真摯な姿勢」はファンに好印象を与えた。しかし、彼が「緊急事態」を理由にスパーズ伝統のスタイル論議を棚上げしたとしても、ピッチ上の現実は好転しなかった。トッテナムは2026年に入ってからプレミアリーグで一度も勝利を挙げていない唯一のチームであり、直近の9試合で4分け5敗。このダービーはその不振のどん底を象徴する内容となった。

2. 的中した「コロ・ムアニ先発」という賭け

新体制における最大の収穫は、ランダル・コロ・ムアニの起用法であった。トゥドールはエースのソランケをベンチに置き、ユベントス時代の教え子であるコロ・ムアニを最前線に抜擢。この27歳のストライカーは、エゼの先制点からわずか24秒後、右サイドでデクラン・ライスからボールを強奪し、そのままカットインしてダビド・ラヤを破る同点弾を叩き出した。19試合ぶりのゴールに加え、前半にはさらなるネットを揺らしたが、ガブリエルへの軽微な接触を理由に得点は取り消された。不運な判定に泣いたものの、師弟関係がもたらしたこの「復活」は、今後の攻撃陣再編における唯一の光となっている。

3. 守備陣の綻びとヴィカーリオの憤り

1-1で折り返したハーフタイムまでは、粘り強いパフォーマンスで勝ち点への期待を繋いでいた。しかし、後半開始直後にその淡い希望は瓦解した。後半開始からわずか90秒、ギェケレシュに勝ち越しを許した場面では、ジョアン・パリーニャとラドゥ・ドラグシンの間に著しく広大な空白が生じていた。守護神グリエルモ・ヴィカーリオはこの不用心な守備に激昂した。続く3失点目でも、サカを止めた後のパリーニャの踵(かかと)に当たったディフレクションがエゼの足元へ転がるという不運な、しかし防げたはずのミスが重なった。ヴィカーリオが再び激しい怒りを見せたこの瞬間に、試合は決した。

背景・ソース

本記事のソースは、2026年2月22日に公開された『Evening Standard』のドム・スミス記者による分析レポートだ。

レポートは、トゥドール暫定監督が初陣で自身の得意とする「3バック(3-4-2-1)」を採用し、中盤にコナー・ギャラガーを配して強度を求めたものの、最終的には守備組織の構造的な欠陥によって自滅したプロセスを伝えている。

背景には、11名もの負傷者を抱え、主将ロメロを欠く異常事態のなかで、急造の守備陣がいかに脆いかが露呈した現実がある。コロ・ムアニの得点やドラグシンの前半の奮闘といった個の輝きはあったものの、組織としての練度は首位アーセナルに遠く及ばなかった。

16位転落という闇のなか、新軍曹が突きつけた「不快な真実」をいかにして次節フラム戦への強化策へと繋げられるか。ノースロンドンのサバイバルは、かつてないほど深刻な局面を迎えている。

参照元: Three things we learned from Tottenham defeat as Igor Tudor let down on debut

スパーズジャパンの考察

1. コロ・ムアニに見る「信頼」の魔力

かつてユベントスでトゥドールの信頼を得ていたコロ・ムアニが、就任初戦でライスからボールを奪いゴールを決めた事実は、新体制最大の成功例だ。ソランケの体調不安という不測の事態を、師弟の絆という解決策でカバーした点は評価に値する。かつて7600万ポンドでフランクフルトからパリ・サンジェルマンに移籍した男が、その価値を取り戻せれば、残留への最大の原動力となるだろう。

2. パリーニャとドラグシンの「不協和音」の解消

2失点目で見せたセンターバック間の距離感は、16位転落という順位が妥当であることを物語っている。パリーニャの踵でのエラーを含め、急造ユニットに課された「マンツーマン守備」という高い要求が、個の能力を過信しすぎた結果、裏目に出た格好だ。この守備組織の再構築こそが、トゥドールに課された最も緊急度の高いミッションだ。

3. 30分のプレーで完全に消えたソランケへの不安

先発したコロ・ムアニが結果を出した一方で、63分に投入されたソランケは見せ場無く、30分間消えてしまった。負傷復帰から前線の基準点としてチームの攻撃を活性化させたソランケは、コロ・ムアニの1トップ(途中からリシャルリソンに交代)のシャドーとしてプレーしたが、彼自身の良さは鳴りを潜めてしまった。トゥドール体制で今後のソランケが輝くことができるかに不安を残すこととなった。

クイズ(Quiz Cockerel)

ジャンル:統計・記録 今回のレポートによると、トッテナム・ホットスパーは2026年に入ってからプレミアリーグで一度も勝利を挙げられていない「唯一のチーム」であると報じられています。2026年に行われたリーグ戦9試合における、スパーズの正確な成績の内訳はどれでしょうか。

  1. 2分け7敗
  2. 4分け5敗
  3. 6分け3敗
  4. 9戦全敗

解説: 正解は「2. 4分け5敗」だ。レポートにある通り、スパーズは2026年のリーグ戦9試合で勝ち点3を積み上げることができず、4つの引き分けと5つの敗戦を喫している。この不名誉な泥沼からの脱却が、新体制の最優先課題となっている。