トッテナム・ホットスパーの新暫定監督イゴール・トゥドールにとって、プレミアリーグのキャリアはこれ以上ないほど過酷な舞台から幕を開ける。日曜日にホームで迎えるのは、タイトル争いの再点火を狙う宿敵アーセナルだ。16位に沈み、降格圏までわずか5ポイント差という窮地において、クロアチア人戦術家が送り出す「最初の11人」を、現地メディア『football.london』の番記者たちが占った。
レポート:二人の記者が描く「トゥドールの初陣」
イゴール・トゥドールは、トーマス・フランク前監督、およびその前のアンジェ・ポステコグルーから引き継いだ深刻な負傷者問題を抱えたまま、この大一番に挑む。限られたリソースの中で、いかにして競争力のあるチームを構築できるかが焦点だ。
アラスデア・ゴールド記者の見解:3-4-2-1の継続と中盤の安定
アラスデア・ゴールド記者は、トゥドールが自身の代名詞である「3-4-2-1」を採用すると予想した。このシステムは、かつてシャビ・シモンズの能力を最大限に引き出していた形だ。
守備陣では、中盤が本職のジョアン・パリーニャを3バックの一角に下げ、ラドゥ・ドラグシン、ミッキー・ファンデフェンと共に最後線を固める。右ウィングバックにはジェド・スペンス、左には本来のバランスを考慮して19歳の新星ソウザを抜擢する可能性があると指摘した。中盤の底には、新体制下で「再出発」の機会を得るであろうイヴ・ビスマを配し、パペ・マタル・サールとコンビを組ませる。
前線は、1トップにドミニク・ソランケ、その背後にコナー・ギャラガーとシャビ・シモンズを置く構成だ。ユベントス時代にトゥドールの下で結果を残したランダル・コロ・ムアニについては、試合展開に応じた「秘密兵器」としてベンチに温存する案を提示した。
ゴールド氏の予想先発(3-4-2-1)
ヴィカーリオ、パリーニャ、ドラグシン、ファンデフェン、スペンス、ビスマ、サール、グレイ、ギャラガー、シモンズ、ソランケ
ライアン・テイラー記者の見解:コロ・ムアニを解き放つ2トップ案
一方、ライアン・テイラー記者は、トゥドールが「3-4-1-2」を採用し、ソランケとコロ・ムアニを前線に並べるアグレッシブな案を提唱した。
テイラー記者は、昨季のユベントスでトゥドールの指導の下、11試合で5ゴールを挙げたコロ・ムアニの「再生」こそが、現在の攻撃不全を打破する鍵であると分析。シモンズを単独のトップ下に据え、その後方にギャラガーとアーチー・グレイを配置することで、中盤の強度を確保する。
また、左サイドのバランスを整えるために、左利きのソウザを先発させるべきだとした。守備陣の顔ぶれはゴールド記者と同様だが、より「個の共鳴」に重きを置いた布陣となっている。
テイラー氏の予想先発(3-4-1-2)
ヴィカーリオ、パリーニャ、ドラグシン、ファンデフェン、スペンス、ギャラガー、グレイ、ソウザ、シモンズ、ソランケ、コロ・ムアニ
背景・ソース
本記事のソースは、2026年2月20日に公開された『football.london』の最新レポートだ。
レポートは、トッテナムが16位に転落し、トーマス・フランクを解任した直後の極限状態において、新指揮官がいかに迅速に組織を再構築しようとしているかを伝えている。
背景には、12名もの負傷者を抱える異常事態に加え、主将クリスティアン・ロメロを出場停止で欠く守備陣の脆さがある。
トゥドールはセリエAにおいて、混乱したチームを即座にトップ4へと導いた実績を持つが、イングランドでの初仕事が「最も勝たなければならないダービー」である点は、彼のキャリアにおける最大の試練となる。
特に、1月の市場で加入したばかりのソウザや、フランク体制下で序列を下げていたビスマの起用法が、新体制の「野心の証明」として注視されているのである。
参照元: Souza starts, Kolo Muani decision – The Tottenham team Igor Tudor must select vs Arsenal
スパーズジャパンの考察
1. 「ユベントス・コネクション」の即時導入
ライアン・テイラーが指摘したコロ・ムアニの2トップ起用は、短期決戦に強いトゥドールらしい解決策だ。師弟関係にあるコロ・ムアニを軸に据えることで、戦術浸透の時間を短縮し、停滞していた得点力を強引に引き上げる狙いがあるだろう。これが機能すれば、16位転落という不名誉な現状を打破する最大の起爆剤となるはずだ。
2. 19歳ソウザの抜擢と「左サイドの規律」
ウドギ不在の左サイドに、左利きのソウザを置くことは極めて論理的な選択だ。新監督が求める「組織と強度」を体現するには、不慣れな選手をスライドさせるよりも、本来のポジションでハングリーな若手を起用する方が、チーム全体にポジティブな緊張感を与えることができる。
3. ビスマに与えられた「最後のチャンス」
フランク体制下で規律問題に揺れたビスマが、トゥドールという厳格な軍曹の下でどのように振る舞うかは、今季のサバイバルにおける重要な変数だ。彼の高い守備強度とボールキャリー能力が、ダービーという激戦においてアーセナルの中盤を封じ込めるための唯一の魔法となる可能性がある。
クイズ(Quiz Cockerel)
ジャンル:監督・選手 今回のレポートにおいて、ライアン・テイラー記者が「新指揮官トゥドールの指導下で昨季11試合5ゴールを記録した」と指摘し、ダービーでの先発起用を提唱しているフランス代表アタッカーは誰でしょうか。
- ウィルソン・オドベール
- マティス・テル
- ランダル・コロ・ムアニ
- シャビ・シモンズ
クイズの回答
解説: 正解は「3. ランダル・コロ・ムアニ」だ。レポートにある通り、コロ・ムアニは昨季ユベントスでトゥドールと共に働き、高い得点効率を誇っていた。新監督はこの「成功体験」をノースロンドンで再現することを目指している。
