【批判】「これはフットボールではない」。前指揮官アンジェ、アルテタやフランクが愛する「ロングスロー」を否定。創設者の精神を説く「純粋主義」の咆哮

トッテナム・ホットスパーの前監督アンジェ・ポステコグルーが、ギャリー・ネビル氏が進行役を務めるYouTube番組『The Overlap』に出演し、現代のプレミアリーグで流行している「ロングスロー」の戦術に対し、強烈な不快感を表明した。宿敵アーセナルのミケル・アルテタや、後任のトーマス・フランクらが重用するこの手法を「フットボールの精神に反する」と切り捨てた格好だ。


レポート

アンジェ・ポステコグルーは、試合中にロングスローを執拗に繰り返すマネージャーたちの姿勢に、強い疑問を投げかけた。「私はロングスローが好きではない」と明言した彼は、その理由をフットボールという競技の成り立ち(アイデンティティ)に求めている。

「フットボールの創設者たちは、手を使ってゴールを決めたり、有利に進めたりするためにこのゲームを作ったのではないと私は信じている」とポステコグルーは語った。

「事実、彼らは手の使用を制限した。スローインを行う際に、必ず両足を地面につけ、頭の上から投げなければならないというルールがあるのは、手の有効性を制限するためだ。これはフットボール(足の球技)なんだ」

ポステコグルーが特に問題視しているのは、ロングスローがもたらすゴール前の混雑と、それに対する審判の基準だ。現代のプレミアリーグでは、アーセナルのアルテタが専門コーチ(トーマス・グレンネマルク)を招聘し、トッテナムの前任者フランクもブレントフォード時代からロングスローを多用して大きな成果を上げている。

しかし、ポステコグルーはこれらを「科学的な何かであるかのように語る人々がいるが、実際にはただボールを『ミキサー(混雑地帯)』の中に放り込んでいるだけだ」と一蹴した。

さらに、この戦術がゴールキーパーの保護を著しく損なわせていると指摘。

「6ヤードのボックス内に密集を作ることで、キーパーが仕事をするのを妨害している。それに対し、審判や審判長が『選手はただ自分の位置を守っているだけだ』と言うのを聞くと、頭がおかしくなりそうだ。あれはファウルだ」と断じ、判定基準の曖昧さがロングスローの不当な有効性を助長していると批判した。

自身の哲学である「足でチャンスを作る純粋なフットボール」を信奉する指揮官にとって、手を使って意図的に混沌を生み出す現在のセットプレー戦術は、受け入れがたい「異物」として映っている。

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