スパーズジャパンの考察
1. 「パスのスパーズ」100年前からのアイデンティティ
1921年の初ダービーでDaily Mail紙が記した「巧みなパス回しのスパーズ」という表現は、1950年代のアーサー・ロウの時代や、1960年代の黄金期を象徴するプレースタイルであるが、ノースロンドン・ダービーの初戦からの伝統であった。100年以上前から、アーセナルの「放り込みとダッシュ」というフィジカルな戦術に対し、技術と創造性で対抗してきた歴史こそが、スパーズの誇りだ。トゥドール新体制が掲げる「強度」のなかに、この歴史的な美学をいかに融合させるかが注目される。
2. ロイ・ホワイトの物語が説く「準備と勇気」
ダンケルクでの悲劇を乗り越え、観客として訪れたダービーで急遽出場してエースを完封したロイ・ホワイト。彼の物語は、現在の「シニア11人不在」という緊急事態において、若手や新戦力がいつ出番を求められても応える準備をすべきであるという、この上ない教訓だろう。負傷者が出たことで巡ってくる出場チャンスを得た選手たちには、ロイ・ホワイトのような不屈の精神で日曜日のピッチに立つことを期待したい。
3. 「暴言で中止」の熱量が宿るN17の伝統
1900年の「不適切な言葉による中止」という珍事は、ダービーの熱量が100年以上前から制御不能なレベルにあったことを示している。今回、サポーターが計画している「Forever」のコレオグラフィーも、このような「歴史的な敵対心」と「地元の誇り」の延長線上にある。ピッチ上の戦術も重要だが、最後はロイ・ホワイトが示したような、仲間とバッジのためにすべてを捧げる「魂」が勝敗を分けることになるのではないか。
