トッテナム・ホットスパーの暫定監督に就任したイゴール・トゥドールに対し、元指揮官ティム・シャーウッドが「メリットが皆無の賭け」であると断じた。残留圏まで5ポイント差という窮地での就任が、指揮官のキャリアにいかに壊滅的な打撃を与え得るかという分析に加え、レジェンドのテディ・シェリンガムによる経営陣への批判を詳報する。
レポート
トッテナム・ホットスパーの新指揮官に指名されたイゴール・トゥドール(47)に対し、かつてチームを率いたティム・シャーウッドが、冷徹なプロフェッショナリズムの観点から極めて厳しい宣告を下した。ESPNが報じた内容によれば、シャーウッドはこの任命を「失敗の選択肢しかない不毛な任務」であると定義している。
シャーウッドが指摘する最大の懸念は、結果に対する「クレジット(称賛)」の著しい不均衡だ。現在16位に沈むスパーズにおいて、もしトゥドールがチームを立て直し、最終的に12位前後の中位でシーズンを終えたとしても、周囲はそれを「ビッグ6として当然の義務」と見なし、彼が特別な評価を得ることはない。しかしその一方で、万が一にも残留に失敗し、クラブを2部(チャンピオンシップ)へ転落させれば、その不名誉な「戦果」はトゥドールの指導者としての履歴書を永久に汚す「壊滅的な下振れ」となる。
シャーウッドは、プレミアリーグの知識を欠く指揮官が、金銭的な報酬以外にこのリスクを引き受けるメリットがどこにあるのかと疑問を呈した。また、トーマス・フランク解任の背景に「ファンの毒性」があったと指摘し、結果が出ないことへの不満が組織の継続性を破壊している現状を危惧している。
一方、テディ・シェリンガムも経営陣のガバナンス能力を鋭く突いた。シェリンガムは、フランクを移籍市場が閉まった直後に解任したタイミングの悪さを指摘し、新戦力を与えずに監督だけをすげ替える体制を「自滅のサイクル」であると批判している。
シェリンガムによれば、現在の問題は誰を監督にするかという議論以前に、クラブのDNAを理解していない上層部が、場当たり的な決断で現場を疲弊させている点にあるという。11名の負傷者を抱えたまま、補強なきスカッドを新指揮官へ丸投げする姿勢こそが、スパーズが本来あるべき「挑戦の精神」を失っている証拠であると説いている。
