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【統計】ワンダーゴール量産の罠:xG0.09が暴くトッテナムの攻撃不全と「再現性」の欠如

今シーズンのトッテナム・ホットスパーは、ファンの記憶に刻まれる壮観なゴールを数多く生み出している。しかし、Opta Analystの最新統計データによれば、この「魔法のような瞬間」の量産は、チームが抱える深刻な構造的問題の裏返しである可能性がある。

レポート

トーマス・フランク率いるトッテナムは、今シーズン、全コンペティションで1試合平均1.61ゴールを記録している。これは2014-15シーズンの1.60ゴールに次ぐ、過去10年で最低の水準だ。フランク体制下でチームはチャンスメイクに多大なる苦戦を強いられており、ボール保持の不安定さも相まって、リーグでは勝利数(7勝)や引き分け数(8分)よりも敗戦数(9敗)が上回る厳しい状況にある。

それにもかかわらず、チームは驚くほど多くの「ワンダーゴール」を決めている。今季これまでに、3つのバイシクル・キック(ジョアン・パリーニャがドンカスター戦とボーンマス戦で、クリスティアン・ロメロがニューカッスル戦で記録)に加え、リシャルリソンの鮮やかなシザース・キックが生まれている。

さらに、リシャルリソンはアーセナル戦で、今季のプレミアリーグで3番目に長い距離となる35.3メートルからのミドルシュートを沈めた。先日のマンチェスター・シティ戦では、ドミニク・ソランケがジャンルイジ・ドンナルンマを破る壮観な「スコーピオン・キック」を披露したばかりだ。

統計専門サイト『Opta』は、この「世界的な一撃(worldies)」の量産と、チームの低調なパフォーマンスには明確な相関関係があると分析している。

トッテナムの1シュートあたりのゴール期待値(xG per shot)はわずか「0.09」であり、これはノッティンガム・フォレストとサンダーランドを上回るだけで、プレミアリーグで下から3番目という低い数字だ。つまり、現在のトッテナムは「質の低いチャンス」しか作れておらず、個々の選手の卓越した才能が、本来であれば得点に結びつかないような難しい局面を強引にゴールへと変えているのが実態だ。

かつてフランク監督が率いたブレントフォードは、直近3シーズンの1シュートあたりのxGにおいて、少なくとも0.13というリーグトップクラスの数字を誇っていた。フランク自身も「チャンスをより大きくすること(making the chance bigger)」の重要性を説き、遠距離からのシュートよりも確実な機会を待つスタイルを信奉している。

しかし、現在のスパーズではその哲学が浸透しておらず、個人のひらめきがチームの得点の多くを占めている。上位進出を果たすための鍵は、こうした「魔法」に頼ることではなく、ペップ・グアルディオラ率いるシティが完璧に遂行する「退屈なほど確実なタップイン(押し込み)」を増やすことにあると結論づけられている。

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