背景・ソース
本記事のソースは、ロンドンの有力紙『Evening Standard』のサム・タブトー記者による独占レポートだ。
タブトー記者は、現在14位と低迷し、補強不足に揺れるトッテナムにとって、この若き才能の確保がいかに戦略的な勝利であったかを詳報している。
背景には、ブレグジット(英国の欧州連合離脱)以降に顕著となった、若きスコットランド人選手がキャリアアップのために南下(イングランド行き)するという「トレンド」の加速がある。
18歳のウィルソンは、すでにスコットランドのフル代表キャップを持っており、そのポテンシャルは折り紙付きだ。しかし、アーセナルのような「完成された強者」の環境では、どれほど才能があっても序列を覆すのは至難の業だ。一方のスパーズは、施設こそ世界最高峰だが、スカッドは常に負傷や再編の「雨の日」に晒されており、若手にとってはそこが彼の出番に繋がりやすい。
サム・タブトー記者は、ハーツ側の事情についても触れている。ハーツのマキネス監督は、アーセナルとの交渉を認めつつも、最終的に「保証」を選んだ選手の決断を尊重した格好だ。
アーセナルがルイス=スケリーやヌワネリの育成で成功している一方で、その厚すぎる壁がウィルソンのような「外部からの若手」にとっては逆に障壁となった点は皮肉と言える。また、トッテナムには元セルティックのコナル・グランシーがすでに在籍しており、スコットランドの若手ネットワークが構築されつつある。
115,000件もの「いいね」を集めた主将ロメロのフロント批判や、11名の離脱者という不名誉な現状の中で、この「神童の強奪」というニュースは、経営陣の野心を示す数少ないポジティブな情報の需要に応えるものとなった。デッドラインデーに提出された「ディール・シート(合意証明書)」は、単なる一枚の書類ではなく、宿敵とのリクルート戦争における勝利の証だったのである。
参照元: How Tottenham beat Arsenal to sign James Wilson and their plan for young striker
