アイントラハト・フランクフルトを下してチャンピオンズリーグ・ラウンド16進出を決めたトッテナム・ホットスパー。この試合で殊勲のゴールを挙げたランダル・コロ・ムアニに対し、イタリアのユベントスへの移籍の噂が絶えないが、『Evening Standard』のサム・タブトゥ記者は、現在のスパーズにおいて彼の放出は「あり得ない選択」であると論じている。
レポート
水曜日の夜、トーマス・フランク監督は苦渋の決断を迫られていた。エースのドミニク・ソランケをベンチに置き、前日に交通事故に遭い合流が遅れていたランダル・コロ・ムアニを先発に抜擢したのである。結果として、この采配はスパーズを勝利へ導く「マスターストローク(会心の采配)」となった。
コロ・ムアニは、本来の希望である中央の役割を与えられると、献身的なチェイシングとリンクアッププレーで期待に応えた。開始早々には、サイドへ流れてシャビ・シモンズの幻のゴールをお膳立てし、後半開始直後にはクリスティアン・ロメロの折り返しを押し込んで先制点を記録。特筆すべきは、彼はこの試合で先発したフィールドプレーヤーの中で「最も少ないタッチ数」でありながら、前線でボールを収めて周囲を活かす、いわば「ソランケの役割」を完璧に遂行した点にある。
73分にソランケと交代するまで、コロ・ムアニはフランクフルト守備陣を疲弊させ続け、その土台があったからこそ、投入からわずか4分後のソランケの追加点が生まれたと言える。
現在、ユベントスが獲得に向けて攻勢を強めており、選手本人もセリエAへの復帰に前向きであると報じられている。しかし、リシャルリソンが負傷離脱し、ブレナン・ジョンソンをクリスタルパレスへ放出した今、スカッドにソランケの「唯一の純粋な控え」であるコロ・ムアニを失う余地はない。1月のマーケットで前線の補強がいまだ進んでいない現状、彼の放出はシーズン後半戦の命運を放棄するに等しい致命的な失策となりかねない。
