アイントラハト・フランクフルトとのチャンピオンズリーグ決戦を前にドイツに乗り込んだトッテナム・ホットスパー。しかし、そこには1年前のアンジェ・ポステコグルー時代を彷彿とさせる、不穏で疲弊した空気が漂っていた。
レポート
フランクフルトの空気には、スパーズの監督を疲弊させる「何か」があるのかもしれない。ちょうど1年前、解任論に揺れるポステコグルーがこの地でメディアの鋭い質問に苛立ちを見せたのと同様に、現在のトーマス・フランクもまた、就任わずか5ヶ月にしてトッテナムというクラブの重圧を全身に纏(まと)っている。
今回の遠征も、1年前と同じように航空機の遅延から始まった。火曜日の記者会見では、自身の進退以上に、ランダル・コロ・ムアニが空港への道中で起こした交通事故が話題の中心となった。コロ・ムアニのフェラーリは「粉々」になり、後方を走っていたウィルソン・オドベールが救護にあたるという衝撃的なアクシデント。それに対する質問が相次ぐと、フランクは「ああ、いくつか(大変なことが)起きているね!」と、皮肉混じりの笑顔でフラストレーションを滲ませた。
スカッドの状況は依然として悲惨だ。ペドロ・ポロがハムストリングの負傷で4週間の離脱となり、ミッキー・ファンデフェンも遠征を回避。起用可能なシニアのフィールドプレーヤーは再び11名となった。この緊急事態を受け、ジュナイ・バイフィールド、ジェームズ・ロズウェル、マラカイ・ハーディ、タイ・ホール、リオ・キェレマテン、カラム・オルセシといったアカデミーの若手たちが帯同。しかし、「神童」と称されるルカ・ウィリアムズ=バーネットは軽傷で遠征を逃し、ウィングのタイナン・トンプソンも火曜日の練習に姿がなかった。
また、ウェストハムへの移籍が噂される第2GKアントニン・キンスキーについての質問に対し、フランクは「彼は素晴らしいキーパーだが、ヴィック(ヴィカーリオ)に何かが起きた時のためにも良い選手が必要だ」と答えた。これは一見すると支持のようにも聞こえるが、どこか含みを持たせた、不可解な響きを伴っていた。
対戦相手のフランクフルトもまた、監督不在で5試合連続3失点中とどん底の状態にある。主力数名を負傷で欠く相手に対し、フランクのチームはこの「欧州の夜」をシーズン後半戦の救済にできるかが問われている。
