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【分析】トーマス・フランク解任に要する費用は総額800万ポンド|マッコーリー銀行からの融資とトッテナムが抱える財務的制約の正体

トッテナム・ホットスパーのトーマス・フランクは、プレミアリーグ14位、2つの国内カップ戦で敗退という惨憺たる結果を受け、解任の危機に瀕している。クラブが今月、彼を解任するか続投させるかの決断を下すにあたり、ピッチ上の成績以上に重くのしかかっているのが、約800万ポンドと推定される多額の解任コストと、クラブの構造的なキャッシュ不足という財務的現実である。

レポート

フランク解任に伴う直接的な費用

トッテナムがトーマス・フランクを解任する場合、およそ1年分の給与に相当する800万ポンド(約15億円)の補償金を支払う必要があると推定されている。フランクの契約は2027-28シーズン末まで残っており、その残存価値は総額で2000万ポンドに達する。ただし、一般的に監督の契約には「清算損害賠償条項」が含まれており、特定の目標が未達成の場合に、残存価値よりも低い金額で契約を解除できる仕組みとなっている。今回の800万ポンドという数字は、この条項に基づいた現実的な推定値である。

なお、数ヶ月前に彼を獲得するために、クラブは既にブレントフォードに対して1000万ポンドの補償金を支払っている。

クラブの財務的制約と借入状況

トッテナムの解任判断に大きな影響を与える可能性があるのは、2025年9月に実施されたマッコーリー銀行からの9000万ポンドの融資である。近年、トッテナムは収入を上回る支出を続けており、オーナーによる資金注入や5000万ポンドのリボルビング・クレジット・ファシリティー(※当座貸越のように機能する融資枠)に依存する金欠状態にある。昨シーズンの人件費対売上高比率はプレミアリーグで最低水準を記録したが、一方で移籍に伴う債務(未払金)はチェルシーに次いでリーグで2番目に高く、年間2000万ポンドから3000万ポンドの利払いが発生している。

財務面から見た「順位」の価値

財務の専門家であるアダム・ウィリアムズ氏は、今シーズンのプレミアリーグにおいて順位が一つ上がるごとに約300万ポンドの賞金増が見込まれると指摘している。例えば、新監督の下で順位を現在の14位から9位以上に押し上げることができれば、解任費用の800万ポンドは賞金だけで十分に回収できる計算となる。ウィリアムズ氏は、パフォーマンスこそが財務を支配するものであり、財務に振り回されるのではなく、フットボールの論理を優先すべきであると主張している。

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